売られたけんかを買ってはいけない



利用者の中には、
何かにイライラしていると、
してはいけないことをしてみたり、
暴言を吐く人もいます。

その言動に、
職員がイラッとしてしまうと、

「好きにしていいよ」
「もう知らないよ」

など、
売り言葉に買い言葉の状態に
なることもあるでしょう。

例えばこんなことです。

施設の中の約束で、
してはいけないことをやりたがり、
そのやり取りが面倒になってくることがあると、
「勝手にやればいいじゃない!」
と職員が言ってしまうという場面。

すると、その職員が言った言葉を味方につけます。

まあ、職員が言ってしまっているので、
仕方ないですよね。

普段は職員なんか!と思っているのですが、
こういう時は、職員が言ったから
自分はそうしているんだと言い張ります。

おもしろいですよね。
いつも職員の言うことを
聞かないのに!というのがミソです。

このパターンの会話は、
どこでも起こりうることで、
親子喧嘩の中などにも使われますよね?

普段は親の言うことを聞かないのに、
親が言ったことを逆手に取って、
親が言ったからやっているんだと
主張するような、そんなことです。

この手の方は、
施設にいることも嫌だったり、
職員のことをもとから嫌っていたりします。

人に対して、
信用していなかったり、
なにか、過去に人を信用しない出来事が
あった方もいるかもしれません。

何かにずっとイライラしていて、
揚げ足を撮ろうと狙っているかのようです。

ですから、こういう方の支援をする場合、
言葉尻を捉えるのではなく、
何でこういう風に言っているのか?と、
裏を見るように心がけましょう。

売られたけんかを買ってはいけないのです。

どうしても、こちら側が相手の言葉の
表面的な部分に反応してしまいやすいので、
利用者と職員が
けんかをしている状態に
なりやすくなるのです。

職員に反抗したい理由があります。
その理由を聞いてください。
じっくりと聞くことで、
この職員に話してみようかと
思えるようになることもあります。

時間もかかります。

相手の言いなりになれば、
こちらの言うことを
聞いてくれるのではありません。
いけないことは
いけないというスタンスを持ちながら、
でも、そういうことをしてしまう
彼らの言い分を聞くということです。

そのこと自体よりも、
そのことをしてしまう
彼らのこころに寄り添うのです。

あなたが、
「いい加減にしなさい」
「何度言ったらわかるの?」
「もう知らないよ」
「勝手にすれば」
「好きにすればいいじゃない」
「○○さんに言うからね」
など、使っている支援者でしたら、
その言葉を発せず、
支援するにはどんな言葉かけがよいかと
考えてみてください。

やっぱり言葉は大事です。
相手の心を動かし、
嫌だなあという感情をも動かします。

だれを頼っていいかわからなくなっている利用者です。
表面的にとらえず、
裏を見るようにしましょうね。
きっとその人の心が見えてきますよ。