ケース記録の書き方10の視点



 

障害者支援事業所では、
毎日、利用者の皆さんの様子を
ケース記録に書いていると思います。

個別支援計画ができ、
ケース記録の監査も
視点が変わってきた地方自治体もあるようです。

どんな内容を書けばよいのか、
決まった内容ではなく、
監査をする地方自治体や、
法人・事業所の考え方にもよるので、
一概には言えませんが、
それでも、
ケース記録を書くときに、
どんなことに注意をすると
良い記録になるかを
考えてみたいと思います。

このケース記録は、誰が使うのかという視点
実際に、なにごともなければ、
年間の評価をする際くらいかもしれませんですが、
支援の課題があり、
年数立って、あとあと、
その利用者の変化を見ていくのは、
他の職員であったりします。

単に、作業的に書くのではなく、
また、自分さえ分かればよいのではなく、
他の職員が将来見た時に、
必要とされるものという認識で
記録を書きましょう。

事実を書く
職員が予測した事ではなく、
見たまま聞いたままの
状態を書きましょう。
見ていないことを予測して
書くものではありません。

利用者の視点で書く
ご本人が、
行動したこと、また、
ご本人が、考えていて、
言葉に出したものなどを書きましょう。

中には、職員が思っていることを書き、
混在させてしまうので、
誰が考えたことなのかが
わからなくなっている
ケース記録もあります。
それはいけません。

個別支援計画の評価に結びつく資料にする
個別支援計画の評価は
どこかでしていくものですから、
そこと兼ねている記録にすると
効率的な記録になりますね。

数値化できるものは数値化
○などの記号化で書いたり、
時間で書いたり、項目で書いたり、
やりやすい記録の仕方があるはずです。
時間がない中で、記録していくものですから、
同じ項目の場合
記号化することはおすすめします。

継続的なものは、その状況がわかるようにする
記録は毎日書くのが基本ですね。
その日は、何も職員が
考えなかったとしても、
次の日も次の日もと、
継続的に続く様子がある場合、
あとで付け加えるようにして、
継続の始まりを記しておきましょう。
原因がわかる可能性があります。

ひとりで書くという原則はやめましょう
ひとりの人だけではなく、
他の人も書いてよい記録としておきましょう。
どうしても、担当職員だけに固執する傾向があります。
みんなで様々な接点で書いて、
利用していくことです。

また、書く時間は、
みなさんで打ち合わせをした後の方がいいですね。
様々な情報から、まとめていきましょう。

様々な場面を書く
毎日作業場面や活動だけではなく、
お昼休み・給食、朝来た時などの様子も
あえて入れていくようにしてください。
また、ご家族からの情報を入れる
欄を作るのも良いと思います。

そして、できないことばかりを
書くものでもありません。
できたことや、
「にやりほっと」するような、
ほっこり話題も書くといいですよ!

他者とのかかわりは実名で残す
個人情報だからといって、
イニシャルで残しているところも
あると思いますが、
流出しなければ問題がない訳で、
その心配よりも、お互いの
関係性を見ていくときに、
実名を入れておいた方が、
その場にいなかった人にはわかります。

最初に書いたように、
「書いた人だけが使うものではない」わけですから、
事実を把握しやすいように
残していくことをお勧めします。

職員の考察は別に書く
わかったことやこうなのではないかという予測など、
書いておきたいこともありますから、
それは、別枠で書いておくようにしましょう。

今回10個の視点で書いてみましたが、
そもそも、なんで記録をつけるのでしょう?

利用者の支援のヒントを
見つけるためだったり、
今やっている支援が良い支援なのかを
振り返るためでもあります。

書いて終わりと思っていると、
自分には必要性も感じないし、
何でこんな仕事で
時間がとられるのだろうと
間違った解釈から、
嫌な感情になるかもしれません。

でも、
このケース記録は、
その方の人生を支援するために
非常に大事な仕事です。

私たちの支援のどこに間違いがあって、
うまくいっていないのかや、
うまくいっていたのであれば、
別な支援に活かせるヒントが
隠されているかもしれません。

そういったヒントをもとに、
その方の次の支援を
考える資料にもなります。

利用者の楽しさや苦しさも
そこに網羅されているからこそ、
私たちのこれからの支援方法の
ヒントになるわけです。

ケース記録を書くのは大事な仕事です。

ただ、
時間のない中で書くわけですから、
目的は重視しながらも、
簡潔に、
要点まとめていきましょう!

間接支援のうち、
もっとも重要なのは個別支援計画ですが、
それを作るためにも
ケース記録は、
より良いものにしていきましょう。