応用が難しい



ある糖尿病の利用者に、
お医者さんが甘いもの禁止をしたときに、
「アイスクリームは食べちゃだめだよ」
と話したそうで、
ご本人は、大好きなアイスクリームを
我慢していたのですが、まったくよくならない。

そして、アイスクリームは食べていないけど、
あんパンを食べていたということがありました。

同じ「糖が多いもの」という感覚はなかったようです。
つまり、アイスクリームだけ我慢すれば
良いと思っていたようです。

あんパンの話をすると、
「あんパンはダメなんですか?」
と、すごく悲しそうな顔をしていました。
アイスをすごくがまんして、
がんばっていたからですよね。

確かにあんパンとは言っていませんけど、
具体的にしなくても、それくらいのことは
わかると思ってしまいますよね?

これが、知的障害・自閉症の方の
応用力のなさにもなります。

このような応用力が使えない
場面というのはよくあることです。

やっていいと言っても
条件によってできないことが
あることがわからなかったり、
量が変わると難しかったり、
いろいろな場面がありますよね。

これは、注意しても仕方のないこと。
支援者は、
「知的障害がある方は応用することが難しい
と思っていれば
支援が考えられるということです。

例えば、先ほどのアイスクリームと
あんパンのようなときは、
「甘いもの」にするとか、「おやつ」とか、
そういういい方もあるかもしれません。

その人がどんな言葉や状況をわかるか
選んでいくことです。

ここにひと手間かけることで、
障害がある人には伝わりやすくなりますし、
支援者側も、
がっかりしなくて済むでしょう。

応用は苦手な人たちには、
どのような支援が有効かを考えつつ、
支援をしていきましょう。