作業環境作りという支援をしていますか?



知的障害がある人の事業所で、
作業をしているところは
たくさんあると思います。

この作業をしていただくときに、
どんなところに
注意を向けているか?というか、
どんなところまでも
支援の範疇なのでしょうか?

作業そのものには、
目を向けるものの、、
作業環境という部分にまで
目を向けているでしょうか?

机といすの高さ
光の具合
人間関係
作業のしやすい箱などの準備
音への配慮
動線の確保
温度
使いやすい道具
など、
さまざまな「環境」という部分へ
配慮をしていくことなのです。

これは、知的障害があるからと
言うことではなく、
仕事をしている人への
配慮といったほうがよいでしょう。

この部分。
私たちであれば、
自分でやりやすく工夫をします。

例えば、
私であれば、
よく使うものが、
近くにあったり、
電話がすぐに取れたりもします。

いすや机の高さも
調節できるようになっていますので、
自分に合った形で使っていますし、
寒ければ、上着を1枚着ることもできます。

これは、自分で、
使いやすいように、
道具を配置したり、
自分に必要な環境を
作っているからです。

でも、知的障害がある人が、
その事業所で、
自ら、働きやすいように
工夫をできる人ばかりとは
限りません。

彼らは、
与えられたもので、
満足してしまうことや、
ちょっと不具合が生じていても、
それを訴える力がなければ、
万が一、
曲がったままの古い椅子を与えられても、
その椅子で良しとしてしまう
可能性があるのです。

こういう傾向が強い人たちですから、
支援者が、
その人になり替わり、
作業環境を吟味し、
やりやすい
使いやすい
長く作業ができる
などの視点をもって、
環境を整えることは大事なことです。

特に人間関係の問題は、
わがままではありません。
嫌いは人と、
一緒には仕事をしたくないのは、
誰でも同じです。

「嫌な人の存在」という、
その人にとっての「環境」を
がまんさせるのではなく、
穏やかに過ごせることが、
精神的な安定となり、
作業での成果になるのです。

また、床に箱が乱雑に置いてあることで、
視野狭窄の人や注意散漫な人が
足を取られていないでしょうか?

物の置場がいつも変わって、
わかりにくくなっていないでしょうか?

窓からの光がまぶしかったり、
細かいものをするのに
光源が弱かったりしていませんか?

このように、
環境の様々な部分を
作業しやすいように、
配慮をすることです。

時々は、
点検もするべきです。

机などは、
釘が出ていたり、
木のささくれだったり、
ギシギシして来たり、
ガタガタしていると、
やはり使いにくいのです。

そういう使いにくさは、
私たちと同じなのです。

何かの不具合で、
気になって
仕事がはかどらないのでは、
本末転倒です。

自分たちが実際に、
そこに座ってみる、
使ってみるなど、
してみるとわかることもあります。

「使いにくいことはありますか」と聞いて、
意見が出ることも
期待したいですが、
かなり難しいでしょうね。
ただ、それは言ってよいことは
伝え続けてください。

さらにいうのであれば、
目の前の適正位置に材料を置くことさえ、
できない可能性があります。

自分の前に置かず、
自分の身体が
斜めになってしまうことも
ありますから、
自分で位置を直すことが
できるのであれば、
使いやすい位置に直してみよう!と
誘ってみることも良いと思います。

作業環境によって、
出来高は全く変わります。
長く続ける仕事になりますから、
よりよい環境を用意しましょう。

ぜひ、あなたの事業所の作業場も
見直して、
彼らにとっての不具合がないか、
調査をする日を定期的に設けるなど、
職員全体で、意識していきましょう!