あなたが、職員のなり手を減らしていないか?



福祉系の人材不足と言われていますが、
この人材不足という状態で困っているのは、
利用者はもちろんなのですが、
職員も困っていると表現する方が多くいます。

この困っているとされる職員のあなたが、
人材不足の発端になっていたら、
どうしますか?

不思議に思ったかもしれませんが、
2つのポイントがあると思います。
もちろん他の理由もありますよ。
でも、その理由の一つとして、
あくまでも仮説ですが、
こういうこともあり得ると思って書きます。

まず、就職先を探す時のことを思い出してください。

そして、何も知らないことについて
信用している人に言われ、
それをうのみにする自分を
想像していただきたいのです。

さて、就職を探す際に、
いろいろな職業を
探すと思いますが、
あなたはどういう職業を
「よい職業」として認識しますか?

イメージ的に、明るい職業だとか、
仕事が楽しそうな職業を
イメージすると思います。

ハローワークやネットで検索すると思います。
評判はどうなのかと考えるでしょう?

辛そうだな、
と思えるような職業は省くでしょうね。
もちろん給料の高い低いもあると思いますけどね。

あなたの言葉は、障害者福祉について、
楽しそうなわくわくする職業だ!というイメージを、
世の中の人たちに与えているでしょうか?

障害者福祉のイメージについて、
現場の人から、
辛い様子が吐露されれば、されただけ、
世の中の人たちが、
障害者支援の仕事に
嫌なイメージを持ったとしたら、
まず、就職をしようとは
思わないと思います。

あなたは、
自分の気持ちを
正しく表しているかもしれませんが、
世の中の人たちは、
そういう情報を自分の就職活動に
確かな情報として利用しています。

人は、何に対してもそうですが、
「良し悪し」の「悪し」の部分を
多く言うことがあります。

「良し」の部分があったとしても、
日本人は、そういうことを
言わない傾向がありますし、
自分はこんな大変な仕事をして、
他の人に、認めてもらいたいからかも
しれません。

ですから、
どうしても「良し」の部分を
言う事は少なくなっています。

「悪し」のイメージばかり、
世の中に出していくと、
障害者支援の仕事のイメージは、
嫌な仕事、大変な仕事として
一般の人に、
植え付けられるわけです。

また、それを1人が
言っているわけではなく、
国内の障害者支援をしている
人たちの多くが、
それを言っているので、
その数は、計り知れないものとなり、
障害者支援は、
自分にとってするべき職業ではないと
思い込んでいる人たちが
多くなるという仮説です。

もちろん、嘘をつけと
言うことではありません。

どんな職業でも、
良い部分もあれば、
悪い部分もあると思います。
その、情報をバランスよく
伝えることが
大事なのではないかと思うのです。

悪い部分だけが、
多くの人に伝わっているとしたら、
それは私たち障害者支援を
職業としてやっている者たちが、
偏った情報を流し続けている
影響は少なからずありそうです。

一般の人たちは、
現場から発信されたことですから、
うのみにすると思うのです。
だって知らないのですから。

それでなくても、この仕事は、
まわりの人から
「(私にはできない)すごい仕事ね」と
いわれていると思うので、
イメージ先行で、
「私にはできない」と思われる形に
結びついている可能性は高いのです。

その結果、障害者支援を職業と
する人たちが
増えない事に関係しているとすれば、
私たち自身の発する言動は
かなり影響を与えていることに
なりませんか?

そして、問題も出るわけです。

つまり、このまま、
職員が増えなければ、
私たち自身に仕事が
多くのしかかるわけで、
循環としては良くない状況に
なると思います。

もちろん、
利用者である知的障害者の人たちも
こう言った私たちの
外部への情報発信が
どのように行われているか
知らない人も多いはずです。
(実はそこも問題と思います)

そのために職員が増えないと
言うことであれば、
私たちの言動が利用者の皆さんにとっても
不利益を与えることに
なりかねません。

私たちは、自分たちの職業を
どういう状態に
していきたいのでしょうか?

つらい仕事として位置づけ、
自分たちは、こんなにも
がんばっているのだと
評価してほしいために
自分の仕事の辛さや大変さを
吐露し続けたいのでしょうか?

辛い事はあるかもしれません。
それは、先ほども申しあげたように、
どんな仕事にもあります。

でも、この仕事の素晴らしさを
もっと世の中に広める
担い手になっていただきたいのです。

すごく楽しい、
わくわくする部分が、
世の中に出ていかないとすれば、
福祉は一部の人間にしかできない
「特殊な仕事」となってしまいます。

今でさえ職員は足りない状態です。
もっと増やすためには私たち自身が、
その方向に動くべきなのです。

ある意味、だれにでも
気軽にできる仕事として
置づけていただくために、
ご自身の発信している
「悪し」の部分だけではなく、
「良し」の部分も、
もっともっと発信していきませんか?

ちなみに、私は、
ものすごく大好きな仕事です。
だから、30年以上も、
彼らと日々過ごしていますし、
誰でもできるとも、思っています。

こんなステキな仕事、
みなさんに見に来て欲しいですね!
そして、いっしょに楽しさを
感じたいと思っています。

つらさがあっても、
楽しさがはねのけてくれる。
知的障害者の世界は、
わくわくですよ!