お金のやりくり支援を始めよう



お金の勉強をさせたいですか?

実は、
お金を使うと、
お金のやりくりをするのは別です。

私が推奨しているのは、
お金のやりくりです。

最初によくやるのは、
「自動販売機でジュースが買える」ですね。

お小遣いをあげて、
好きなものが買える。
買えたときはうれしいですよね。

そして、支援者がさせたがるのは、
計算です。

ここにあるお金は全部ではいくら?
とか、

500円から300円の買い物をしたら
おつりはいくら?
とかです。

確かに「お金を使う」には、
計算ができたほうがいいとは思います。
でも、私のなかでの重要度は、
後回しになります。

つまり、
計算能力を問われる部分なので、
後回しなのです。

それに、実際使うときに、
お店の人が計算してくれ、
ご本人が計算しなくても
大丈夫なようになっていますから、
安心な店で買えばいいことなのです。

実は、計算ができなくても、
やりくりができたのほうが、
自立度は高いのです。

では、お金のやりくりとは何でしょうか?

これがほしい。
手持ちのお金は、これだけあるから買えるけど、
やめておこうかな?

この洋服、半額だから買おうかな?

この高額なものが欲しいから、
いくらためてから買う計画を立てようかな?

同じものなら、
あっちのスーパーが安いから、
あっちで買おう!

などなど。

まさに主婦の領域!とでもいえる分野です。

彼ら知的障害がある人たちは、
どうしても目の前にあるものしか、
考えない傾向が強く、
私たち支援者も、
お金を使うことができたことに
満足してしまいがちです。

特に重度と言われる人たちが、
自動販売機でお金を出して、
買い物ができたということに喜びます。

その繰り返しをしていることが、
お金が使える人になったという勘違いになり、
お金が使いこなせることとの
勘違いにもなりがちなのです。

知的障害がある人で、
生活保護の人も多く、
もらったその日に全部使ってしまうことは、
あたりまえと思っておいた方がよいくらい、
宵越しの金は持たない傾向があります。

つまり、目の前にあったら全部使ってしまう方が多いのです。

やりくりは、
目の前にあるお金を
全部使っていいわけではありません。

将来のことも考えつつ、
また、今買いたいものは、
本当に自分にとって必要かも考えつつ、
「お金」と「お金を支払おうとしているもの」に
向き合うことになります。

お金が使えると、
お金のやりくりをするの
違いはお分かりいただけたと思います。

私が何人もの人を金銭管理していて、
わかってきたことは、
やはり、話し合いが大事だということです。

まず、全部あなたのお金だから、
好きに使っていいことをお話しします。

でも、

なんです。

でも、次のお金が入るまで、
どういう計画を立てるか、
など話し合います。

好きなことにも使うには、
食費を抑えなければ
ならないこともあったり、
逆に、好きなことは後回しでも
食事を大切にしなければならなかったり、
そういうことは人によって、違います。

いくらほしくても、
持っているお金以上のものであれば、
買えないのですが、
その辺りがわからなくしてしまうものも
世の中にはたくさんあります。

親がだめだといいつつ、買い与えていると、
買っていいものという認識になったり、
インターネットで、買ってしまい、
請求が来ても払わず、
などということは簡単にできそうです。

消費者金融
知り合いから借りる

などということもできます。

借金があるから
さらに借金をするなどということにも
つながります。

やりくりは、
一人ではできにくい分野ですから、
知的障害がある人には、
金銭管理サービスや
成年後見制度もありますね。

この手の管理は、やりくりというより、
お小遣い分だけ使っていいという
意味合いに似ています。

でも、自分で意識できたらどんなに
良いことかと思います。

今、お金が使える人だとしても、
やりくりは難しい人も多いと思います。

最初は自動販売機で
ジュースが買えたことに、
喜んでいたとしても、
これが毎日、何年も続くのか?と思えば、
疑問を持ち始めます。
支援者側から言い始めたことだと思いますが、
どこかで、だめ!と言いたくなりそうな
ことなのです。

「お金を使う」ではなく、
「やりくり」であれば、
その日ジュースがほしくなければ
買わないという選択があるのです。

どこかで、切り替えが必要ですね。
おうちで、おこずかいをあげるだけではなく、
何が欲しいかというお話もしたいところです。

また、このお金が無くなったら、
来月まで何も買えないことも
お話しください。

お金がなくなった時に親が出してしまったら、
やりくりはできない子になってしまいます。

ほしいものの値段を調べ、
それを買うために、
いくらをためていこうという話しも必要です。

何かを我慢すれば、
お金がたまることもお教えください。

こういうような積み重ねの他に、
日常的にもお買い物に行ったときに、
こっちよりこっちのほうがいいねなどの、
会話をするように心がけてみてください。

例えば、
同じ牛乳ならこっちの店のほうが安いねなどの会話です。

お金がたまってきたら、
ほしいものを買う。
そういうことで、
自然にやりくりも身につくことでしょう。

これは、小さいころから
できる支援です。

そして、普段の生活の中でできることです。

お金を使うこととやりくり。

やりくりできることは将来自立につながることです。
ぜひ、意識してみていただきたいと思います。