うちの子は、お金を使える
と思われている方の中には、
物が買えるとか、
親が管理しているうえで、
お小遣いの範囲で趣味のやりくりをするとか、
その程度の方が多いと思います。
実際、親から離れた場合で、
ひとりでするのが難しい場合は、
金銭管理や成年後見などで、
お金を管理をする人が、
支援に入るとしても、
まずは、1週間くらいは、
一人で管理できることが、
自立につながると思っています。
ご本人がよくやっているのは、
「お金を支払う」です。
お店に言われただけの
金額を支払うということです。
これは、「お金を使える」というくくりに
入れてよいのかというと、
これだけでは、まだまだ不足です。
実際には、
お金のやりくりが必要です。
欲しいものを欲しいだけ買うことではなく、
「これを買うから、あれをあきらめる」
ということもあります。
また、「アクシデントがあって、
お金が無くなってしまったので、
欲しいものを我慢する」ということもあります。
お金は多ければいいのではなく、
やりくりが良ければ、
困ることは減ります。
支援者は管理しすぎても駄目なのですが、
管理しないと、
どんどんなくなってしまう方も多くいます。
つまり、宵越しのお金を持たないタイプの方は
多いということです。
でも、このお金は、その人のお金です。
何に使うかは自由なはずです。
でも、使えばなくなります。
次に、収入が入ってくるときまで、
ご飯を食べないでいるわけにはいきません。
お金がどれくらいあるか?
近い将来、何に使うべきか?
今欲しいものはなにか?
今、我慢できるものは何か?
などなど、
押し問答をしながら、
その人の生活が、
平坦な気持ちでいられる
お金の使い方がいいと思うのです。
どういうことかというと、
大きく使ってしまってあとで
後悔するようであれば、
平坦ではありません。
ためていって、
大きく使う方が安心感がありますから。
そのために、
お金の支援は、非常に重要になります。
ですから、本当であれば最初に、
ぜったいに出ていくお金を引くことが重要で、
残ったお金でやりくりすることにつなげます。
さらに高度なのは、定期的に出ていくお金を
節約することですが…
さて、この「押し問答」的な、やりくり支援は、
毎日繰り返すことで力がついてきますので、
特に一人暮らしの方には、
していきたい支援の一つです。
考える力が段々に身につき、
上手になっていきます。
では、具体的に、
予測していなかった彼らに
どんなアクシデントが襲うか?
こんなことが簡単に起きています。
携帯電話・かぎなど、なくしてしまった。
新聞・牛乳など、不要なのに契約をしてしまった。
町会費を請求された。
自転車を置きっぱなしにして、
違反となり、引き取りに行った。
お友達が、お金を貸してといってきた。
宗教団体から、何か買うように言われた。
だまされた。
キャッシング。
インターネットで買い物。
などなど、
事件性に絡んだものもあります。
こういった時を
彼らは想像できていません。
でも、実際に起きています。
起きたことがあると、
「急にお金が出て行った」
ということが理解できて、
そういうことはしないようにと、
経験を活かすのですけどね。
その前に、
どどーんとした支出を
経験している人もいます。
お金支援を始めたいのであれば、
ぜひ始めていただきたいのです。
実際に、お金はお小遣いで買えるだけの
金額ではありませんので、
ご家庭でも、意識していただける用に、
話題に上らせてみてください。
そして、生活に関わるお金をやりくりする場面が
経験できるといいと思います。