探し物の見つけ方



人はものをなくします。

あれ?
どこに置いたんだろう?
あった!

というくらいならよいのですが、
あると思っていたものがなくなることで、
自閉症の方が、
パニック状態になる場合もあります。

これは、障害があろうとなかろうと、
記憶の中になくなって、
何かがあり、
どこかに置いてしまったという、
うっかりが生み出す、
人間共通の行動ですよね。

自分の場合なら、
自分の行動を振り返り、
どこにやったか、自分で探し当てますが、
彼ら知的障害がある人が、
何か物をなくした場合、
彼らには探し当てられないことも多くあるので、
私たち支援者が、
探すことになります。

では、どうやって探すか?

やはり、その人の行動の再確認だけでなく、
その人のしぐさや、行動パターンで、
こんなことがあるのではないかと
考えることです。

つまりは過去の行動データ。

もちろん、
その人が通ってきたルートの中で、
自分なら、
こういう風に置いちゃうかもな?
と思ってみることも重要なヒント。

ただただ探すだけではなく、
そこに椅子があったら
座って同じ目線になってみることも有効です。
目線が変わるだけで、
見つかることもあります。
その時の状況を
思い浮かべて見ることも有効です。

また、他者との関係も大事でしょう。
他の利用者が関わっていると、
別の人が良かれと思って、
何かそのものを
どこかに置いている可能性もあります。

ロッカーでは、
同じロッカーの形なので、
隣の方のロッカーに
入っていることなんかもあります。

ポケットもよくあるパターン。
ご本人はさがしたと言っても、
もう一度ポケットを探してもらうと、
見つかることもあります。

紙と紙の間とか、
机から落ちて、
たまたまあったゴミ箱の中とかも。

なくしたご本人の記憶はあいまいですし、
なくなったことで、
冷静な考え方ができなくなることもありますし、
絶対にこんな失敗はしないと
思い込んで
そんなことするわけがない
そんなことはあり得ないと、
自分の行動も否定していると、
現実から逃避したりもして、
結局ご本人だけでは
探せないこともありますしね。

ですから、私たち支援者から、
いろいろな質問をして、
どんな行動をしたのか、
どういう目線か、
他者とはどういう関係性か、
どんな気持ちの時だったか、
など、
データ分析をしてから、
探偵になったつもりで
探してみましょう。

連絡帳がバス停の椅子に
置いてあったときもあります。

雨の日に傘を傘立てに入れた瞬間に、
鍵もそこに落としたこともあります。

ロッカーで、人混みの中で着替えていたため、
ロッカーの上に連絡帳を置いた人もいます。

探し物は、ご本人の行動の中でなくなります。
例外は、他者が関わってしまった時ですね。

仲が悪い者同士が同じ空間にいたことで、
捨てられていることもありました。

集団の中での行動だったら・・・
急いでいたら・・・
いつもと違う環境だったら・・・

そんなことも考えつつ、
彼らの言っていることを
半ば疑う気持ちも持ちつつ、
探し物を探してみましょう!

無くなって、
「仕方ないね」で対処するのは、
できるだけやめてくださいね!

「探せない」にも支援いたしましょう。

そして、この経験は良い経験です。
なくさないために
ご自身もこれからのことを
考えるかもしれません。

ですから、今以上に
「なくさない」ためにも、
次の支援を考えましょう。

鍵には紐をつけるとか、
○○はカバンのこのポケットに入れるとか、
具体的に自分ができることにつなげ
「いつもの行動」の中で、今以上に確実に
ものを管理できることにしたいですし、
なくすときはいつもと違う
何かが起きた時ということもあるようですから
アクシデントが起きることもまた、
「想定内」にできるようなイメージを
持っていただきたいものです。

なくしてからでは厄介です。
せっかく体験したことは、
チャンスと捉え、
支援を入れ、
「なくさない行動」を
手に入れていただきましょう!

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