ものごとを教える時に、
その人の前から教える方がいますよね?
ラジオ体操を、覚えていますか?
校庭で壇の上に立つモデルは、
指示されたものと反対に体を動かしています。
だから、それと同じようにまねることで、
正確なラジオ体操を覚えられます。
もし、モデルが、指示された通りでやれば、
覚えようとしている側は、反対になってしまうということです。
この対面でやるときは、
私たち支援者が、動きを反対にしなければならないわけです。
さて、自閉症の人に、
ものごとを教える場面はたくさんあります。
その時、ラジオ体操のように対面でやるのは、
間違いです。
もちろん大きな動きで、全く真逆にできることだったら、
まあ、よいかもしれませんけどね。
できるだけ避けたほうがいいのです。
対面は、いろいろな混乱要素があるからです。
利き手が反対になる。
対面になることで、不要な情報が多くなる
ということです。
作業などする場合、字や計算を教える場合など、
利き手が反対になることで、
わかりにくいです。
また、手前・奥という場所が変わります。
そこもわかりにくくなる部分です。
そして、対面になることで、不要な情報が増えます。
その支援者の動きや洋服、はたまたその支援者の後ろの様子などです。
情報が多いと何が重要なのかわからなくなることがありますから、
そういった意味から、対面はお勧めしません。
では、どうやって教えるかというと、
横につきます。
同じ方向に向かって、ものごとを教えます。
たとえば、作業技術を教えるとき、
横について見せます。
ついでにいえば、この時、言葉を少なくすることがポイントです。
見せることでやり方を理解することが有効です。
できるだけその人が見やすい位置に見せたいものをおいてやってみてください。
つまり、あなたが相手の方に手を伸ばすということです。
自分の目の前より相手に近づけてくださいね。
相手にはくっつかないようにしながら。
また、やることがわかった時に、
一人でやらせ、やれたときにほめてください。
これでできるようになります。
さらに、様子をうかがうときも、対面ではなく、
その人の後ろからのぞいてください。
あくまでも、余計(不要)な情報(刺激)が入らないようにするためです。
教える時は横につく。
見守るときは後ろにつく。
これだけで、目的に沿った全く違う効果が得られますよ。