いわゆる「問題行動」と「行動上の問題」



自閉症などの人が感じる行動面での障害は、
行動障害というものになります。

行動する時に障害があるから、
思ったような行動ができないというイメージです。

もう少し突き詰めた時、
何に障害があるのかと考えると、
コミュニケーションや情報を処理する部分に、
障害があり、
それがもとで二次的な障害として、
パニックと言われる状況が見られることがあります。

そのパニックは、
他の方を傷つけたり(他害)、
自分を傷つけたり(自傷)、
物を壊したり(破壊)、
大声で叫んだりするなどの行動になります。

これらの行動は、
他者から見たら、
反社会的な行動に見えたり、
怖くなることもあり、
双方が、ケガをしたりすることもあります。

ですから、
障害ゆえにそうせざるを得なかっただけの彼らの行動が、
障害がない人から見ると、
「問題である」「あんなことして」という、
レッテルにつながるのです。

それは、問題なのでしょうか?
誰が問題なのでしょうか?

いわゆる「問題行動」というものは、
表面的な部分でつけられた名前です。

先ほど説明したような、
背景を飛ばして、
表面的な部分の判断だからこそ、
「問題だ!」となってしまうのです。

決して彼らは、
問題を起こそうとは思っていません。

そんなことすら、考える時間もなく、
今起きていることに
「困った状態」になり、
その表現方法がわからないために、
自分ができる表願方法で
表現をしただけなのです。

このパニック状態というのは、
その時、どうしたらよいかがわかれば、
そうはならないのです。

どうしたらその場の困ったことを解決できるかを
自分ではできないために訴えるSOSなのです。

私たち支援者が、
彼らの訴えを退けるかの如く、
問題だとしてしまうのは、
パニックになってしまった後の対応ができなかったり、
パニックにならないような支援方法がわからないからです。

わかっていれば対処ができますので、
パニックにはなりません。

ですから、変化するべきなのは支援者です。

支援者の変化で、より良い支援ができた時には
パニックにはなりませんし、
それにともなう、
問題だと称されるような行動には
ならないのです。

あなたが問題行動と思っている行動を
なくすには、
あなたが支援スキルを向上させ、
考えやすいような環境や言葉を用意し、
困っていることを訴える方法や
ご本人が対処できるための
支援をすることなのです。

あなたが彼らの行動そのものの批判をしているのは、
あなたの支援が間違っていることを
棚に上げた自分に対しての
批判だと思ってみてはいかがでしょうか?

納得いきませんか?

でも、あなたがその人に対して適切な支援ができたなら、
パニックにはなりません。

適切ではないから、パニックになるのです。

パニックになったその行動を問題行動というかもしれませんが、
あなたの支援が問題だと提起した事なのでしょう。

実は、彼らの行動上に問題が起きているのです。

支援者側から見た「問題行動」は、
彼らから見たら「行動上の問題の訴え」なのです。

このことに対しての主人公を
彼らにしてみるとわかりやすいのです。

行動上の問題と解釈すれば、
支援者の支援により、解決するものということになります。

行動が問題だとして支援者が、
適切な支援をしたならば、生まれなかった行動です。

表面的なことを見て、
問題としないことです。

あなたの中にある、
支援が適切でない
支援力が向上していない
という課題を見直すべきです。

彼らが問題なのではなく、
問題の発端はあなたの中にあるのです。
そこに気づきましょう。

支援スキルを高め、その人に合った支援をし、
彼らが抱える障害の軽減をしていきましょう!

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