自ら解決したいときの支援



知的障害がある人たちには、
彼らの悩みの中で、
自分で悩みを解決したいと相談を
してくる人もいます。

身近な話題も多いのですが、
現実の生活の中で発生しているもので、
ニーズであることもあります。

ご家族との関係のこと
お友達同士のこと
お金のこと
健康のこと
やりたいけどできないこと

もちろん、自分の障害が、
関係していない事での
悩みもあります。

これは、もしかしたら、
社会経験が、
まだまだ不足しているのか、
そういう経験をしたことがないのか、
誰かが道を作ってくれていたので、
それに乗っていれば楽だったのが、
いざ、大人になって、
親や支援者のいない所で
解決しなければならなかったり、
自分で一応やってはいるけど、
うまくいかないことを
感じてきたりしているようです。

関わる家族や支援者により、
「あなたはこうしなさい」といわれ続けていた人ほど、
自分でどのように解決していきたいのかが
わからない人もいます。

そこで、私の場合、
ご本人に様々な質問をしていくことで、
ご本人自身が、
自分のできることの中で解決していく
イメージ作りから入ります。

自分でも何とかしたいと思っていても、
自分の中だけでは、
考えがまとまらなかったり、
何から始めたらよいかがわかりにくかったり、
複数の課題が絡まっていたりするときに、
ここは知的障害という部分があることで、
ひとりで解決ができない場合もあります。

どうしたいのかを伺うと、
この課題を解決したい!と、
意思確認ができるのであれば、
なぜ解決したいのか?
どうなりたいのか?
自分ができることは何か?
どんな方法にするか?
相手がいる場合は、相手はどんなふうに考えていると思うか?
将来的にどのようにしていきたいのか?
などを、
ご本人にイメージできるように、
ゆっくり聞いていくことです。

イメージ作りがなぜ大切かというと、
結局のところ、その課題に対処するのは、
支援者がいない所ですることが多いからです。

例えば、
病気になって、
油ものを控えなければならない時に、
自分で揚げ物ばかり買ってしまう時に、
解決したいという気持ちを確認できるのであれば、
どうやって解決するのか、
支援者がいない所で行動できる自分に
ならなければならないのです。

支援者がいなくても
ひとりでできることをイメージすると、
頭の中で「できる!できる!」と思っても、
ひとりになった時を想像していただくと、
やっぱり難しいとなることもあります。

ですから、イメージしていただくのです。
スーパーに行ってどんな自分になれば、
良いのかを。

私たちがこうしなさい、
あーしなさいと言うことではなく、
ご本人の力を充分引き出して行くことに徹することです。

だから質問をしていくのです。

それってできること?
もしできなかったらどうする?

そういう質問をすることで、
スーパーの中の自分を想像していきます。

自分が解決したいわけですから、
自分ができることの中でイメージすることを
支援者からの質問で、引き出すのです。

自分で解決しようとしているときに、
最終的には
自分で解決ができるようになることが
優先されますから、
私たち支援者が出すぎず、
彼らができることの中で解決をし、
もしできなくても、
その時また支援が入る安心を用意しておきましょう。

自分で何とかするための
整理をする支援ですから、
「私がいるから大丈夫」という支援者には
ぐっとこらえる支援となります。

待つ
見守る
彼らの力や可能性を信じる
やろうとしたことができない時は、また話し合う

彼らが主体。
そして、自立。

自分でも考えていただく。

そのための質問です。

彼らの持っている力、
隠れて出てきていない力を
引き出していきましょう。

彼らはできない人ではなく、
機会がないだけの人もいます。
彼らが主体的に
自分の将来を作る一歩を作る、
関わりを持ちましょう!

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