自閉症の人は、
急な変化を好まず、
また、人の表情を読み取るのは
苦手分野ですが、
何か原因があり、
落ち着かず、
パニックになった時など、
支援者は、
何とかパニックを止めようと思って、
対面で、
話かけることが多くあるようです。
この、対面で話しかけた際に、
あなたの表情が動きます。
しかも、負の表情になることが多ければ、
パニックになっている自閉症の人は、
落ち着くことが出来ません。
負の表情は、人にとって、
心地よくない表情です。
あなたがおだやかに
淡々としていれば、
表情も安定していますので、
まだ良いのですが、
負の表情で、
にらめつけるようなことであれば、
怒られていると取るかもしれません。
さらに、
支援者から、言葉を発することがあります。
特に注意をするようなトーンの言葉であったり、
早口になったり、長々と話されたり、
ご本人は、今まさにパニック状態の時に、
何を話されているのか、
わからない状態ではないでしょうか?
この、表情も言葉も、
パニックになっている人には、
邪魔な情報にしかなりません。
落ち着ける環境になっているわけではなく、
あなたの行動が、邪魔になるのであれば、
そういうものがないほうが、
より落ち着くというものです。
特に真正面での
あなたの対応は、
混乱させることにもなりかねませんので、
もし、近くにいたいのであれば、
隣りをお勧めします。
一緒に横並びに座って、
同じ方向を見ている。
話かけなくても
静まってくれる可能性があります。
話かけたり怒ったりするより、
断然効果があります。
あなたは、気づかうだけでよいのです。
その人が、どうやったら
今まで以上に早く落ち着くかな?と、
思いめぐらせ、
今までやった方法と比べてみてください。
怒ることや怒鳴ることは、
無意味です。
「わかったの?」
「ちゃんとして」なども無意味です。
何ともならない状況の場合、
接近すればするほど、
あなたからの
虐待行為になりかねません。
早く収束を図りたいのであれば、
その人が心地よいと思える状況を
作ることです。
横に座り、
同じ方向の風景でも見て、
隣りにいることでの安心感を
作ってあげてください。
イメージは、
電車の中です。
想像してみましょう。
前に座っている人の動き、
は気になってしまいますが、
横にいる人は、
接近していても気にならないことが
多くありませんか?
情報が少ないからです。
ですから、隣にいて、
同じ方向を見ているだけという、
見守り支援です。
彼らは、
何らかの「障害」が発生し、
対処でき切れない時に、
パニックになります。
その人の行動が荒々しく、
社会に対して迷惑に見えることでも、
その人自身、
困っていることが
起きているのです。
パニックにならないような
事前の支援にも力を入れつつ、
パニックになってしまった時には、
彼らが安心できる環境整備に
力を入れましょう。
もちろん、日頃からも、
正面で、あれこれと話しかける事が、
ご本人にとって嫌な環境であるのなら、
横にいる方が、
パニックになりにくくなる事もお忘れなく。