それぞれの利用者によっては、
作業をしたがらないという場面に
遭遇することはありませんか?
さぼってる。
ちゃんとやらない。
教えたのに間違える。
スピードが上がらない。
おしゃべりばかり。
トイレに逃げ込む。
いかがでしょうか?
もちろん、
この見え方は、
職員から見た
見え方です。
では、それぞれの利用者の人は、
作業について、
どんな風に思ってると思いますか?
作業がつまらない。
何で、これをするのかわからない。
職員の説明が難しい。
量が多い。
他の人がうるさい。
自分は一生懸命にやっている。
などなど、
そんな風に反論ができたら、
言っているのではないでしょうか?
そうです。
利用者は文句を言いません。
まず、職員は、
大前提を忘れているようです。
その利用者の人は、
どんな気持ちをもって、
あなたの施設に入ってきたのでしょうか?
その施設に入りたくて来たのでしょうか?
その作業は、とっても好きな作業なのでしょうか?
それ以上好きな仕事は、ないのでしょうか?
職員からは、
作業の手順など、
わかりやすく説明しているのでしょうか?
体調など、加味されているのでしょうか?
環境に、目を向けているでしょうか?
彼らは、知的障害があり、
施設というところに入らざるを得ない状況で、
言われた作業というものをするように言われ、
やりたいやりたくないの気持ちも確認されず、
ここに来たからやると決められているのを
前提と思っておいた方が、間違いがありません。
そのうえで、
他者と比べられ、
今以上を求められているのが、
現状ではないでしょうか?
嫌だなと思った瞬間に、
トイレに逃げ込めるのであれば、
まだよいと思いませんか?
彼らは、やりたいという気持ちで
入ってきたわけではないのです。
でも、ちゃんとやるべきだと
職員に言われるのです。
職員に迷惑をかけてはいけないと、
家族から言われているのです。
そのなかで、
自分の気持ちとして、
やろうと思えるような作業でなければ、
やはり気持ちは、後ろ向きになることでしょう。
ご本人の力量には、
むずかしかったり、
ご本人の興味にないことであれば、
なおさらです。
もちろん、怒られてばかりでは、
やる気にもなりません。
あなただって、そうじゃないですか?
やりたくない仕事ばかりさせられたり、
上司に怒られてばかりであれば、
おもしろくないはずです。
彼らだって、同じです。
しかも、あなたよりもさらに、
この作業を選んで入ってきたわけではない分、
つまらなさは、倍増すると思います。
では、どんな支援をすればよいのか?
やはり、入ってきた時の条件が、
まず、マイナスレベルから入ってきていると思い、
どんな状態になれば、
プラスマイナスゼロになり、
さらに、プラス方向に気持ちが働くかを
考えていただきたいのです。
作業そのものを変えることが
できない施設も多いでしょうから、
その人の力量内のものを
提供したり、
環境、時間、作業量なども
嫌にならないような工夫が
必要ではないでしょうか?
そして、大切なのは工賃支給額。
やった分だけ、お金になるのは大切です。
よく、お金の価値がわからないと
言っている職員がいますが、
そのような利用者でも、
以前より多くなっていることを
一緒に喜ぶような職員の表情が、
その人の喜びになることもあります。
お金の価値がわからないからと
理由づけして、
支給額が上がらないのは、
良いとは言えません。
役割があることも大切なこと。
その人のできることに着目していくべきです。
やろうという気持ちになっていただき、
さらにもっとやろうという気持ちに
なっていただくには、
それに見合った働きかけがあるのです。
それを怠って、
ご本人のせいにして、
叱ってみたり、
ご本人にとってのつまらない作業を
提供し続けることではないのです。
事例ですが、
午後から昼寝をしている人たちが
多かった施設でも、
それまで以上の作業量を提供し、
わかりやすさを提供し、
工賃のUPを図り、
午後から寝る人が激減しました。
最初は、
嫌だといっていた作業でしたが、
作業そのものがわかりやすくなり、
できることが増えてから、
自ら、その作業をやるといってきた人がいました。
お金が欲しいなら、
作業のする日を増やすことと
説明したところ、
出勤日数が増えた人もいます。
その人が自分自身で、
作業をする意味を
感じていただくことは、
大切なことなのです。
最初からその作業が好きではないかもしれませんから、
その時点がマイナス時点です。
そこから、支援によって、
プラスマイナスゼロになり、
さらに、
その利用者にとって、
やろうと思えるようになれば、
プラス方向に気持ちがむきます。
あなたの施設は、いかがでしょうか?
怒れば作業をするのではありません。
彼らが我慢をし続ければよいのでもありません。
やろうと思える作業にしていくのは、
私たちの支援からです。