知的障害がある人で、
自ら「困っているよ」と言える人には、
なかなかお会いできません。
ですから、
困っているよう見受けた時に、
「これは、困っている状態だから、支援者を
呼びましょう!」などと
伝えて行く瞬間は
とても大切な機会なのです。
「困っている」がわかれば、どんなに楽なことか。
自分でできるのか、できないのかも、
わかりにくいかもしれないですが、
今、
とりあえず、
自分の状況がどんな状態なのかを
わかっているとその先が違ってくるのです。
というのは、
こんな場合もあるからです。
困っていると考えてしまい、
すぐ支援という関わりを
開始してしまう支援者もいます。
下手をすると、おせっかいになってしまい、
困っていると表現していないのに、
関わりが始まってしまい、
支援者にすべてをゆだねてしまう。
それは、その人の人生には、
実は悪影響の場合もあるのです。
なぜなら、支援者は、
一生その人といるわけではないからです。
他の人と一緒の時を想像してみることです。
多くの人たちの中で生活をしていくときに、
自らSOSを言えることは、
とっても重要です。
ですから、
「困っている」がわかって、
「困っている」が言えて、
誰にでも、「支援をしてほしい」が言えるのであれば、
それが一番よいのですが、
先ほども書きましたように、
ご本人にその判断がしにくいのです。
だからこそ、
SOSがわかることと、
その表現についても、
また、支援が必要なのです。
自分が困っていること、
助けを呼びたいことなど、
自分からSOSができるようになるまでには、
それなりの経験が必要となってきます。
色々な場面で、
支援者が関わりつつ、
困っているときは、どうするのか?と問いかけつつ、
ご本人のSOS発信の経験値をあげていくことです。
基本的に、
困っているの訴えはないと
思っていた方が良いのです。
これは、障害程度には、
関係ありません。
私たち支援者は、
そのSOSを見抜けるように
なりたいところです。
問題だと思い込んだり、
よくわからず、
むずかしいのよねぇ
などと言っているうちは、
見抜けないことでしょう。
間違ってでもよいので、
見つけようと努力をすることです。
見つけようとしなければ、
見つからないのです。
そして、その瞬間に、
困っていると言えるような、
支援ができる状態にしておく。
そういう時は、SOSを言ってよいことを
伝え続けることです。
今まで経験をしてこなかった人に、
簡単にできるはずがありません。
いつもいつも、
あなたが、勝手に支援が必要と思ったことを
強引に支援することではなく、
ご本人が、
困ったと理解して、
時に間髪入れず、支援を開始することです。
自立には、困ったがわかり、
SOSが言えることが
とっても大切なのです。
ぜひ、その瞬間を大切にしていきましょう!