活動の準備や
作業の材料の補充など、
何かと何かの間で、
利用者の人を
待たせていることがあったり、
誰かの支援をしているために、
その人の支援ができない状態を作りがちですね。
「ちょっと待っていてくださいね!」
という言葉、
支援者は、多く発します。
支援者が、
「ちょっと待ってくださいね」と言うことに
慣れてしまうのは、
知的障害がある彼らが、
待ってくれているからです。
彼らは、
いわば、
待つことになれている。
「待ってくださいね」といわれ続け、
待っていて、何もしていなくても、
過ごせる人は多くいます。
特に、自分一人では
何を活動してよいかわからない人。
でも、
「待ってくださいね」と言われるのが、
苦痛なのは自閉症の人です。
ですから、自閉症の人を待たせておくわけにいかず、
そちらに支援は充分入るのに、
待つことができる人たちは、
後回しになりやすいのです。
さらに、自分から支援者に
アクションをかけられる人は、
「やってよー」などと言えるので、
対応も早くなりますが、
言葉がない人や
自己主張できない人などは、
やっぱり後回しになりやすい
傾向があります。
支援者は、
「支援が必要な人」より、
「手のかかる人」に関わりをしようとする傾向もあり、
待たせるという行為が、
日常茶飯事なのです。
たとえば、
作業で「待つ」という時間を減らすためには、
日ごろの準備が必要となってきます。
待つことばかりで、
作業効率も悪く、
工賃も上がらないようではよくありません。
職員は、
作業そのものをしているような状態が
本来の姿ではなく、
その人の作業がなくならないような準備や
その人が1人でできることを
増やすような支援をするべきです。
たとえば、
送迎車で帰るというときに、
順番に帰る準備をするために、
待たせるということが多くあります。
その際には、
ひとりでできる活動を用意したり、
準備の職員と支援の職員を
分けるなどすることで、
ただただ待っているという
時間は減っていきます。
また、最初の人が送迎車に乗ってから、
最後のひとが乗り込むまでも、
時間がかかりますよね?
そんなときも、
送迎車の中で、
待ちつつ、
お話しをしたり、
クイズや手足の運動程度は、
職員とできることもあります。
活動が始まるまで
待つようなときも、
前日に用意をしたり、
職員の連携で役割を決めていくことです。
特にこの場合、
物の場所があっちこっちにあると、
職員も探し回ることになり
時間がかかってしまうので、
物の場所は一定にし、
片づけるということに
力を入れたいところです。
この時に、
職員がやりがちなのは、
「○○さんが来ないから待っていましょう」
などと、
集団化することです。
それは、その人のはその人の
ペースや個別支援があるのですから、
待たなくても初めてよいと思いますよ。
その人が来なくてもできる活動にすることです。
また、
待っているというのは、
誰かの支援が必要な状態と言うことですから、
自分一人でできることがあると、
個別の活動ができます。
これは、休み時間などにも使えます。
ひとりで過ごすために、
さまざまなひとり活動を
提示してみることです。
この、一人でできることは、
待つことも減らしますが、
自立のひとつとして
有効です。
さらに、様々な場面で、
待っていてもらうことが多い
事業所は、
その部分に、
どれくらい費やしているのか、
ざっくりと計算してみるのも良いと思います。
朝来て夕方帰るまで、
特に、車いすに乗っていて、言葉のない方は、
多くの時間、
待たされていることでしょう。
驚愕の数字になるかもしれません。
その時間に、
今以上の支援が入ることで、
身体機能が落ちなかったり、
できることが増えることにも
つながるのではないでしょうか?
これは、
人手が少ないという問題ではありません。
すぐそこに問題転嫁することではありません。
職員たちが、
どうかかわりたいのか?
何が自立なのか?
そういう部分の考えを
していくことです。
簡単に、
できないよ!と言うことではなく、
待ち時間を少なくするためには何をすればよいのかと
話し合うべきことでしょう。
プログラムから考えても良いと思いますし、
職員体制から考えても良いと思いますが、
このことを考えるための中心にいるべき人は、
職員ではなく、
利用者の皆さんだということをお忘れなく。
勉強になります。