今日は、知的障害がある人の
親御さん向けにお話をします。
個別支援計画(個別教育支援計画)
というものがありますね。
その事業所や学校で、
こういうものを作るから面談をしましょうとか、
何か、したいことや
支援してほしいことはありますか?
などと、聞かれたことがあるかもしれません。
この、個別支援計画(個別教育支援計画)は、
何のためにあって、
わざわざ、事業所まで行って、
話を聞き、
良いですか?と確認をされたり、
サインしてくださいと言われるものなのでしょうか?
大部分の方は、
何のためにしているかもわからず、
職員の言うことだから、
その通りでよいと思ってしまうかもしれません。
なんといっても、
お世話になっている人に、
ご迷惑をかけてるのは、
うちの子だし・・・と思ってしまうと、
いろいろ聞きたくても
聞けないと言うこともあるでしょう。
もしかして、
間違った解釈をしていては
いけませんので、
ここで、あらためて、
個別支援計画ってなんだろう?
を考えてみたいと思います。
個別支援計画のお話の前に、
ちょっとお話をしておきたいのですが、
まず、障害者支援サービスを
お使いであれば、
「自立」を主目的として
事業所を使っていくということは
お分かりでしょうか?
自立といっても形や方法は
人それぞれですから、
施設に合わせるより、
個人に合わせた自立を
考えていくべきところです。
でも、お子さんが事業所に
集団でいるので、
集団に合わせるべきと
お考えの方もおいでだと思います。
確かに、
集団のプログラムに
そのままでも合うのであれば、
それで良いかもしれませんが、
そこには合わない人もいます。
なぜ、合わないのかといえば、
個人だからです。
私は、事業所というのは、
デパートのようなものと思って
よいのではないかと
考えます。
そこに行って、
欲しい支援は利用して、
いらないサービスは
使わないこともできるのです。
例えば、
9時30分から作業が始まる事業所でも、
その人のさまざまな生活を見ると、
10時からの利用が良い人がいるとします。
こういう時に、
事業所は、全員に9時30分までに入るようにと
言うことでしょう。
でも、事情を説明し、
その人の生活を重視し、
10時から利用したいと言うことが出来るのです。
これが、ほんの一例ですが、
「集団の中の個人」に合わせた部分になります。
確かに事業所としては、
同じような動きをしてほしいと思うかもしれません。
それは楽だからです。
もちろん、職員体制により、
決まっている送迎時間や活動の時間の大枠は
変更できないことも多くあることは
ご承知おきください。
そのなかで、
個人を重視するのは大切で、
これが個別支援計画の大元になります。
事業所の大枠の中で、
個人がどこを使っていくか、
そして、自立のために、
どんな支援を利用していくか?なのです。
このように、
施設という大枠の中の機能を利用して、
例えば、
水泳というプログラムでしたら、
人によっては、泳ぐことが主目的にしたり、
人によっては、着替えることが主目的でもよいのです。
集団の中の個人を重視し、
個別に対して、
なにを支援しようかと計画するものです。
だから、個別支援計画なのです。
迷惑のかからないようにと考えて、
職員の言ったとおりになることではなく、
お子さんの自立を考えて、
どこをどんなふうに支援してもらえば、
自立につながるのかを考える計画です。
ですから、
職員任せではなく、
親御さんから見た、
お子さんの自立を考え、
意見を出してよいのです。
職員が言ったことに「はい」と
許可をするためのものではありません。
ましてや、
何年も同じ計画を提示されているのは、
おかしいと思ってください。
「支援をしましたよ。
こんなことが出来るようになったり、
解決しましたよ
じゃあ、今度はどんなところを
支援していきましょうか?」
と、話し合うための資料なのです。
もちろん、職員はプロとして、
日々お子さんの様子を確認していますし、
ご本人とお話ししている中で、
でてくる個別支援計画もあります。
それはそれですが、
だからといって、
毎年同じ内容であるはずがありません。
今年の面談では、
ちょっと質問をしてみませんか?
「ほかの部分で、
うちの子の自立に大切な所は
ないですか?」
「これはもう、解決していると思いますが、
いかがですか?」(通常支援のうちに入れてもらう)
「うちの子には、○○をすることも、
自立につながると思いますが、
いかがですか?」
「家で夕飯を作らせたいので、
午後は14時で帰らせていただけますか?」
「このプログラムは、
うちの子にとって苦痛なので、
個別な活動は入れられますか?」
いろいろな「個人」に焦点を当てた、
計画を作るために、
職員と話をしてみましょう。
もちろん、ご本人の
ご意見も伺っておいてください。
わくわくするような
個別支援計画ができることが、
自立の一歩となりますよ!
職員に任せきりにせず、
お子さんの自立を考え、
いうべき意見も話していき、
あなたと職員とご本人で、
納得する支援計画にしていきましょう!