自閉症の人で、
急に何か嫌なことが起こった時に
パニックになる人がいます。
支援者の支援方法の
間違いによるパニックは、
なくすことができますが、
防ぎようのない外的要因で起きる嫌なことを
回避することは難しく、
パニックが発生しやすい一つです。
でも、慣れてくると、
このパニックの発生を
今以上に減らすことができ、
パニックにはならなくなる人もいます。
まず、その人が、
どんなことが
嫌いかということを
さぐってみましょう。
子どもの声
救急車
地震
TVのテロップ
蝶・蜂
などなど
予測していない時に
いきなりくる
嫌なことの数々!
彼らは、変化に弱いので、
このいきなり飛び込んでくる
情報に困惑します。
こういった場合、
この嫌な情報を
なんとかやり過ごす方法や
回避する方法を
あみだしておくのです。
例えば、家にいて、
救急車の音がした時に、
回避するために
どういう行動をとるかということを
決めておくということです。
これは、ご本人が、
一人でできるのであれば、
ひとりの時に回避できる方法を
身につけていただきましょう。
救急車の通るのが、
家の北側に面した道路となれば、
できるだけ家の中の
遠くの場所(南)に移動するとか、
トイレの中に入って鍵をかけるとか、
そういうルール決めておきます。
音楽を聴くでも構いませんし、
数を数えるでもよいですし、
水を飲むでもよいのです。
お店の中で、
子供の声が聞こえてきたら、
その店を出て、右に行くとか、
そういうイメージです。
起きてしまった時に何をするか。
対処の方法を
決めておくことで、
嫌なことは、
あるものだと受け入れ、
嫌なことが起きたら、
なにをするかを決めておくことは、
アクシデントではなくなり、
スケジュールとなります。
支援者のしてしまいがちな悪い例は、
「そんなことはもう起きないよ」とか、
「我慢しなさい」と
言ったりすることです。
彼らの日常の中に
嫌なことが起きることを
想定内にしておくことです。
これは最初から、
うまくいかないかもしれませんから、
最初は起きてしまった時に、
「場所を移動しましょうなど」
支援者がすることを指示して
行えるようにしましょう。
彼らもだんだんなれていくと、
自分からできるようになり、
人によっては、にこにこしながら、
ゆっくり対処できるようになります。
あったら嫌だ。
もうなくなってほしい。
そう思っても発生するのです。
なくなってほしいと願っても、
それはなくなりません。
「その気持ちはわかります。
では、なくなりますか?」
と確認すると、
なくならないことも、
ご本人がわかっている場合もあります。
ですから、その嫌なことは
世の中に存在して、
その人の前に急に現れたときに、
やり過ごす方法を
身につけていただくことで、
嫌なことから
回避する方法(スケジュール)を
持つようになります。
まず、安定しているときに、
その人と話し合って、
嫌なことが急に起きた時に
やり過ごせる行動パターンを
決めていきましょう。
この時、必ず、
一人でできることにしてください。
「○○さんと△△する」としてしまうと、
その人がいない時に対処ができませんので、
ひとりでできることのみにして、
支援を入れつつ、
最終的に一人でできるように
していきましょう。