知的障害がある人が
なにかをできるようになることには、
時間がかかる人が多くいます。
中には1年くらいかかる人も
それ以上の人もいます。
ご本人にとって、
そのことをすることが必要であったり、
支援者から見ても、
嫌いそうじゃないと
思えるようなことであれば、
時間がかかっても、
支援をしていくことになるでしょう。
その時に、
私たち支援者は、
できるようになっていただくための支援を
していくことになりますが、
どの時点で自立できるのか、
それともできないのか、
どこを工夫すればよいのか、
そんな迷いもあると思います。
そんな中でも、
私たち支援者側が、
心折れずに、
続けていけるように
していきたいところです。
先が見えないとは、
こういうことです。
本当にできるのか、できないのか、
できないと思って
支援をやめたほうが
良いのかと考えてしまう瞬間が
何度もある可能性もありますからね。
それはご本人もそうだと思うのです。
先が見えないのは
支援者ばかりではありません。
では、そんな、
先が見えないことに対し、
先が見えやすくなり、
続けていこうという
気持ちになっていただくために、
私たちが、
どんな工夫をするのか?
一番大切なのは、
スモールステップで、
支援をしていくことです。
どうしても大きな目標を
立てがちですが、
小さなステップで、
そこまでできたら、
次の目標を立てることです。
たとえば、一連の動作であれば、
その一部だけに焦点を当てることです。
すると、そこまでできたと
いうことが体感できます。
これは、ご本人も支援者もです。
このくりかえしです。
スモールステップであれば、
そのスキルを取得するのも
短い期間になることでしょう。
最初から全部は難しので、
部分に分けましょう。
これを、
私は「工程分析」といっておりますが、
ひとつのことをするまでに
いろいろな部分で分かれていくので、
その部分部分をできるようにしていくことの
繰り返しになります。
そして、もうひとつは、
その小さな部分を、
何度も何度も
繰り返して体験することです。
この体験は、
彼らにとって、
とっても大事なスキル取得になります。
何度も、
できる瞬間を積み重ねる。
そのできることを積み重ねていくことで、
さらに別なこともできてくる。
あんなにできないイメージだったことが
いとも簡単にできるようになる。
そんな感じでしょうか?
実は今日書いていることは
知的障害がある人だけではなく、
支援者の一般的な仕事もそうですね。
だれでも同じなのです。
スモールステップと、
できることを続けていくこと。
そうすると、
次のステージもまた、
簡単にできるようになっていきます。
なんといっても彼らの強みは、
長い期間、
同じことを続けられることです。
この強みを活かしつつ、
彼らができたほうが良い事などは、
時間をかけて、
習得していただきましょう。
「1年前じゃ、考えられなかったよね!」
という会話は、
うちの施設でもよくあることです。
本当に、
コツコツと積み上げていくということで、
大きなスキルを獲得できる彼らです。
力は持っています。
力の出し方は、
自分だけではできないことです。
支援が入って初めて、
彼らは自分の力に
気づくこともあります。
スモールステップと
繰り返しの経験の場を作り、
成功感が持てるよう
支援を続けましょう。