知的障害の人の中には、
ご自身だけで、健康のための行動が
できにくい人たちがいます。
そういう人のバイタルチェックを
している施設も多くあります。
看護師の勤務で、
その辺りが、より鮮明に位置づけられた
施設もあることでしょう。
さて、このバイタルチェック。
水分補給
検温
排泄の状態
などの他に、
顔色をうかがったり、
朝のお話をすることで、
その人の健康状態を
観察するのですが、
通所施設では、送迎車で
来所することも多く、
同じ時間帯に、
一連の流れで、
実施されていることもあるかと思います。
健康に関して、
ご自身から、
SOSもできず、
熱が上がっても
のどが渇いても、
痛みがあっても、
なかなか、ご自身からの
訴えることができないために、
データを取り、
数値で健康のチェックをするわけです。
その際に、
「気づく」ことの重要性を
理解しているでしょうか?
特に、
新人職員が入職の時に
「何のためにしているか」を
教えられたと思いますが、
そんな時に教えられたことは、
たくさんの情報に埋もれ、
スーッと抜けてしまっているかもしれませんから、
改めて、
バイタルチェックの重要性を
先輩たちは、後輩に教えてほしいと思います。
たとえば、いつも平熱が低い人と、
平熱が高い人では、
1度上がった意味も違いますから、
単に、今の体温が何度かだけでは
済まされませんし、
水分を補給できなければ、できなかったなりに、
少し時間を置いてから水分補給するなど、
マニュアル通りにその時だけに
バイタルチェックをすることではなく、
まず気づき、
それに応じた対応をすることまでが、
一連の流れとしていただきたいのです。
そして、わからないなりにも、
ご本人には説明をしていただきたいのです。
あとで、また計りましょう。
あとで、また水を飲みましょう。
今はこういう状態ですよ。
だから○○していましょう。
体調がよくなったら、
○○しましょう。
機械的に、
流れ作業だけで、
数字に気づけず、
ご本人の声なき訴えに、
耳を貸さないことで、
大変な病気が見つからないとなると、
命にもかかわるのです。
彼らは、薬を飲んでいることも多く、
その副作用が出ることもありますし、
訴えがないことや、
いつも通り元気であることで、
病気を疑うことなく、
放置される可能性もあります。
もともとがSOSを出しにくい人たちです。
何のために
バイタルチェックをするのかを、
もう一度捉え直し、
どんな視点をもって、
そのバイタルチェックをするのかを、
施設としての統一見解を
持っていただきたいところです。
彼らは、
まさかという状態から、
死に至ることもあります。
そのようなことは、
新人職員には、わからないことでしょうし、
もし自分の担当していた人が
亡くなるようなことがあれば、
責任を感じてしまうかもしれません。
ですから、伝わる方法で
伝えていかなければなりません。
することの意味と、
そこから見つける変化についてです。
ただただ、流れ作業のように
やることではありません。
ご家族も見抜けない場合もありますが、
そこを問うことでもありません。
朝、一時に集中する支援ではありますが、
異常を発見しなければならない
大切な支援であることを、
再認識していきましょう。
また、どんなに重度の利用者でも、
自分の体調の変化を
気づくことができるほうが良いと思いますし、
それを何らかの方法で、
訴えられるほうが良いわけですから、
説明できるスキルを持ち、
ご本人の理解や
自発的な訴えができるような支援も
つなげていきたいところです。
決して、流れ作業のようにしてはいけませんし、
二重チェックするくらいの集団でなければ、
ならない場合もあるでしょう。
どんな方法が効果的か?
どんな方法で、病気の予防ができるか?
そんな視点も持ちながら、
彼らの健康を維持していきましょう!