支援者の変更で行動障害が出てしまう



私たちは支援者ですから、
障害がある人の支援をすることで、
その人の障害を軽減できます。

逆を言えば、
誰かが支援しないと、
障害が軽減できない場合があります。

例えば、
車いすを使っている人でしたら、
車いすというもので、
障害の軽減となります。

知的障害、自閉症の人たちの
障害の軽減は、
支援者次第ということが
往々にしてあるのです。

「福祉は人なり」という
言葉もありますが、
私たち支援者によって、
彼らの障害の軽減や、
彼らの人生の豊かさや、
将来設計まで変わってくるのです。

ですから、
支援者が、
今までされていた支援によって、
行動障害が軽減されているにも
かかわらず、
支援が必要ないように
思うこともあります。

なぜか。

それは、新しい支援者には、
行動障害が見えないからです。

よき支援をしていたために、
行動障害が軽減されていた状態に
気づかないからです。

親御さんから、
「職員が変わって、
大変になった」ということを
お聞きになったことが
ありませんか?

ご自分だってわかるはずです。
自分が関わることで、
相手は不適応を
起こしているようであれば、
あなたの支援が、
いままでのここちよい支援とが
違っているということです。

このように、担当が変わった途端、
今まで影を潜めていた、
障害が大きく出ることもあるのです。

例えば、
絵カードを使って、
コミュニケーションをしていたので、
行動障害が軽減された方に対して、
絵カードのおかげで
行動障害が出ていなかった
と気づかず、
支援者が絵カードを使わなくなった結果、
パニックを頻発する
というようなことです。

歴代の支援者が、
なぜ、その支援をしていたのかを
知らないと、
こういう悲劇が
横行してしまいます。

私たち支援者が、
合わせるのは、
障害者の人生に対してです。

その人に合わせて、
障害の軽減を図るのです。

障害というのは、
一生存在するものと
思ってください。

支援によって、
障害が軽減された場合は、
この後も、継続的な支援は必要なのです。

しかも適切な支援でなければ、
障害は軽減されません。

前任者のやっていた支援で、
隠れていた障害は何かを、
リサーチするべきです。

もちろん、
支援がうまくいった支援者も、
どんな障害があり、
どんな行動があった人であるとか、
どんな支援を入れたら、
障害が軽減されたかを
記録しておくべきですし、
引継ぎするべきです。

この支援があったからこそ、
行動障害が、
なくなっていると伝えましょう。

それを、ご本人もしくはご家族も
資料として保管しておきましょう。

担当が変わった途端に
苦しんでいる人は、
たくさんいます。

そして、もう一つ。

支援がうまくいっている人は、
職人技でやるべきではありません。

誰でもできる方法で、
行ない、伝えられることが大事です。

あなたがいなくなった途端、
障害がある人と
関係ないのではありません。

あなたがしてきた支援を伝え、
彼らが困らないようにしてください。

行動障害は、
支援によって、
なくなるのです。
でも、支援によっては出現します。

知的障害・自閉症の人たちの、
障害を取り除くためには、
よき支援は、
私たち支援者が
代々引き継ぐべきことです。

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