ニーズというのは、
彼らの生活の中にあるものです。
さらにいうなら、
365日を重ねていくことで、
実現するものかもしれません。
ということは、単純に考えても、
今利用している施設や、
今利用しているサービスの中では、
ニーズに直接的な支援ができない可能性もあるのです。
もっと大きな部分で見てほしいのです。
彼らのニーズはどこにあるのでしょうか?
ニーズというのは、
どこかの場所だけに
あるものではないのです。
ニーズは人生の中、生活の中にあります。
では、施設では、何を支援するのか?
そのニーズを実現することにつながるために、
施設の資源を使って、できる支援を
積み重ねることです。
例えば、
その人のニーズが、
「経済的自立」だとすれば、
施設の中で、何ができるかという視点です。
施設の中だけでは、経済的自立はできないでしょう?。
でも、就職をするために、
作業などの時間帯に、
ニーズに向けて、
支援を受けることができます。
もし、「トイレで、一人でできるようにする」であれば、
もちろん施設内トイレに行くときに、
できることはたくさんありますね。
でも、どんなトイレでも通用するものにしたいので、
施設のトイレだけにしか通用しない方法だと、
ニーズに対しての支援なのか?と
疑問になる可能性があります。
ところが、施設の中だけで、
ニーズをとらえようとするから、
施設の中だけで
支援できるものに限定されることで
考えるようになってしまうのです。
そうなると、
職員がその利用者に
させたいことのなかで、
「○○さんと仲良くする」のようなことが
ニーズになってしまうのです。
ニーズが人生の中で、
「人付き合いができるようになる」
となれば、
その支援として、
他の利用者との関係性を見たりもできるのです。
どうも、ニーズの捉え方が、
施設内だけを見ようとしているために、
施設内で完結するものに
固執してしまうのです。
もちろん施設の中に
ニーズに対して直接的な支援が
できるものもあります。
それも大事なことです。
でも、本来からすると、
24時間を考えた、
この利用者のニーズは何か?
と捉え、
それを実現するために、
施設にいる時間を使う
ということが重要なのです。
なぜそのような話をしたかということですが、
個別支援計画というと、
当該事業所の中だけで考えるのが、
当たり前と思われています。
でも、ヘルパー事業所や、
グループホームなどを使っていると、
それぞれが、それぞれのニーズをとらえ、
様々な事業所で、
相反するニースの捉えをする場合も
見受けられています。
24時間と見れば、
その人のニーズのために、
各事業所が、何をするべきなのかという
捉えになります。
いろいろな事業所を利用することが
増えてきている状況で、
施設は施設だけの中で考えたり、
ヘルパーはヘルパーだけの時間で
考えるということにならないように、
その人の24時間を想定して、
ニーズの捉え直しを
してみていただきたいのです。
ニーズは人生の中にあります。
直接支援できる部分が、
自分の事業所の中にはないこともあるという大前提で、
間接的な支援を考えていく視点も持ちましょう。