自立のための見守り支援



支援は自立を考えつつしていくことですが、
できれば支援者がつきっきりではなく、
一人でできることは目指したいところです。

一人でできるようになってからも、
関わらなくてよいのかというと、
そうではなく、
関わりを持ちながら、
自立していることを確認して、
支援者がいなくても、
本当の意味で一人でできるようにするまで、
ある程度は、支援者が、
「見守り支援」を続けることになります。

では、具体的な例を取って
お話ししていきましょう。

女性の方で、知的障害。
糖尿病により、視覚障害。
また、足の先の感覚がマヒ(壊死寸前)
体重があるので、痩せるように言われていた人です。
外はつえと介助者がいないと歩けません。

一人でできることの中で、
運動をするとなれば、
施設の廊下を歩くことがよいと思い、
提案をしてみることにしました。

目が見えにくくなっても、
慣れ親しんだ廊下ですから、
そこの移動はスムーズでした。

毎日、何往復かしていただくのに、
一人でできるようにと、
鉛筆を20本もって、歩きます。
往復で1本置き、
また往復すると1本置き、
というように、20往復することにしました。
この総距離は約400メートルです。

このこと自体は、彼女には難しいことではなく、
一人でできるかというと、
できるものです。

ようするに、自立できることなのです。

でも、一人でするというのは、
一人ですることになれていない人にとっては、
やはり、誰かに一緒にやってほしいという
感情もあるようです。

最初のころは、
400メートルを歩くことは
かなりきつかったようです。
ですから、一緒に歩くこともありました。

そして、支援を少し入れつつ、
一人でできることも
多くなってきたのです。

でも、これをたった一人だけで、
やるように促したら、
長続きしなかったかもしれません。

まず、鉛筆管理は職員がします。
やりたいときにやることで、
職員と接点ができます。

行ってらっしゃい!
応援してるよ!
などと声がかかることで、
一人でできました。

途中でやめたくなる時もあるようでした。
そんな時は、職員の関わりを入れました。
感情的にやりたくないときは誰でもありますね。

最後までできたら
鉛筆を持って職員のところにきますので、
シールをもらいます。
シールがたまることが喜びになっていましたし、
最後にも職員が関わることが
ご本人にとっては、
よかったことです。

最低2回の関わりですが、
職員は見守り支援をしていました。
彼女にはわからない部分で、
彼女の運動を把握していたのです。

ですから、自然な感じで、
廊下に出てみたり、
あなたのために
廊下を通っているのではないよという感じで、
うっすらと関わりを持ってみたりもしました。

このような繰り返しの中、
職員に言われて始めた運動も
自分からするようになりました。

結果的に、体重が落ち、
足の動きもスムーズになり、
身体が楽になってきました。

さて、見守り支援というのが
職員にとっては
かなり難しいことかもしれません。

常に自立を頭の中に入れ、
突き放すのではなく、
かといって過剰に支援を入れるのでもなく、
ご本人のできることを
半ば応援するかの如く、
黒子のようにそばにいる感じでしょうか?

べったりと全介助的に隣にいたほうが
職員は楽なのです。

何でもかんでも一緒にやったほうが楽なのです。

でも、できることは自分でする。
いつもできていたことが
できなくなる時もありますから、
そういうときは、
一からやり直すことも含め、
職員の視野に入れておく。

見守りつつ、
駆け引きしつつ、
つかず離れずの支援が大事なことです。
すこし、あなたも慣れていきませんか?

自分自身をレベルアップさせましょう。

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