支援というのは、
本来ご本人の意向によって、
展開されるものです。
たとえば、視覚障害がある方が、
情報の保障をしてほしいというニーズがあれば、
その支援をしますよね?
でも、知的障害・自閉症の人の場合は、
ご自身が、困っていることがわからない場合や、
ご本人よりも、周りの人が困っている場合が多く、
ニーズと言っても、ご本人のニーズではなく、
周りのニーズがクローズアップされる場合もあります。
また、ご本人が、
どんな将来になるかを
予測もできなかったりもしますので、
本当に、今、出ているものが、
本当のニーズなのかどうかと言えば、
わかりにくいのは確かです。
では、ご家族のお話ししたことが、
ニーズとして、
捉えられていいのかというと、
そうではないご家族もいて、
ご本人とご家族の主張が違う場合もあり、
本当に、ニーズというのは、
わかりにくいかもしれません。
それに、言葉がない人はわからないと
言う支援者もいます。
いやいや、言葉があるから、
本当のニーズをわかるのかというと、
それも、そうとは限らないわけです。
言葉がある人も、先ほど書いた論理で、
ニーズがわからない場合も多くあるのです。
では、こんな、ないものねだりのような
知的障害者支援の中で、
本当に、ニーズは、
どうやったらつかめるのでしょうか?
それは、やはり、私たちがプロ意識をもって、
日常を観察し、
ご家族に様子を伺い、
もちろん、ご家族のご意見も伺います。
そのうえで、
どんなところに困っているのか、
何を欲しているのか、
将来どういう生活を望んでいるのか、
今できるようになりたいことは何なのか、
などなど、リサーチすることが始まりです。
相手を思い、
普段の様子から、声なき声を聴き、
判断することだと思うのです。
そして、「こんな支援があったら、
この人は、今以上に自立できるよね?」
というものを見つけてほしいのです。
簡単に、支援者の常識の範囲での押し付けをしたり、
無理だと決めつけ取り合わないことをせず、
事業所に合わせるようなおかしな順序とせず、
その人のニーズを考えましょう。
自立していただくことを、
かわいそうにと思う方がいますが、
そうではありません。
なんどきも支援者がそばにいるほうが、
嫌ですよ。
私たちだって、
プライバシーがなくなる環境っていやでしょ?
できれば、一人でやりたいですよね?
そのためにも「自立」って大事だと思うのです。
自立は、その方のしあわせのためです。
「しあわせ」と「自立」は、
今以上にあったほうがいいのです。
もちろん、別ものではありません。
「自立のための支援」
そこが、ご本人のしあわせにつながるために、
ニーズを捉えましょう。