「サビ管、探してもらえませんか?」
「この布みんないただいたのですか?
どうやって集めたのですか?
教えてください」
「就職先はないでしょうか?」
「この商品を売りたいのですが、
この企画どう思いますか?」
「利用者探してください」
いろいろなご依頼があります。
なぜに、うちの法人に
そのような依頼が来るのかと
思うこともあります。
そのご依頼の内容に、
お手伝いするかどうかは、
「私がお手伝いすることが
知的障害・自閉症の皆さんの
ためになるか?」
ということに焦点を当てています。
ですから、ご依頼のほとんどは、
お手伝いをさせていただいています。
それは、意味があると思うからです。
この先に知的障害・自閉症の皆さんを
存在させながら、
いろいろなことをしていると、
様々な方とつながったり、
情報を得たりすることが
大事だと思っているのです。
でも、簡単に相手の方とはつながれません。
それに、福祉関係者だけとつながるのは、
得策ではありません。
なぜなら、
知的障害・自閉症の皆さんの支援をするのは、
福祉関係者だけではないからです。
私は、
直接的に支援をしている人だけではなく、
全国のたくさんの方が、
彼らと街で出会った時に
特別な身構えをせずに
気にかけてくださることを
目指しています。
ですから、
自分の所の
できなさや
大変さをアピールすることでは、
知的障害・自閉症の皆さんのことを
よく知らない方は
どんどん遠のくと思っています。
このやり方だと、
人は集まってこないと思うのです。
だから、労働人口も
減ってきていますでしょ?
この世界は、たいへんなことも
あるかもしれないけど、
自分自身はハッピーで、
楽しみのほうが多い世界だと
伝えていきたいと思っています。
まず、相手に関心を
持っていただきたいのであれば、
福祉関係者がやることは、
知らない相手の、
お役に立つことです。
一番最初に、
「うちのために
来てください!」
と言っている施設が多すぎます。
簡単な例でいうと、
「障害者が頑張って作ったから
買ってください」
という発想は、
逆効果ということです。
「どうぞお手に取ってご覧ください」
これは、
お客様の欲するところに響きます。
その後の会話の中で
ご購入いただくことも
あるということです。
自分たちの大変さを
先に言うのではなく、
相手のお困りのことなどを気にかけて、
お役に立つのが先です。
それは、巡り巡って、
知的障害・自閉症の皆さんの
ためになります。
これは私の中でとらえる、
ご縁であり、
かたくるしくいうと、
マーケティングです。
ご縁という言葉も
最近まで使ったことが
ありませんでした。
でも、人のために
お手伝いをさせていただくことで、
縁がつながれて、
周り回って、
知的障害・自閉症の皆さんのために
なると思っています。
今までは必要なかったかもしれません。
でも、これからは、
必要な考え方だと思います。
自分たちは自分のテリトリーの中だけで
ものごとを考えてはいけないと思います。
どこかに、困っている人がいて、
どこかに、あなたを必要としている人のために、
あなたから発信していただきたいのです。
それが、後々、あなたのそばにいる
知的障害・自閉症の皆さんのために
なるのです。
福祉とマーケティングは、
同じ土壌に位置しています。
まだ、気づいている人は少なく、
何のことかわからないかもしれませんが、
確実に動き出していると
思っていたほうが
よいかと思います。
波に乗り遅れないように。
天狗にならないように。
自分だけが大変だと思わないように。
すべての人の中に、
気軽に、
知的障害・自閉症の皆さんのことを
考えていただけるよう、
「マーケティング」ということを
気にかけてみてくださいね。