以前、相談支援事業所で働いていた時に、
ある相談支援員Aさんが、
「支援の終了」を念頭に仕事をされているのを聞き、
その反面、別事業所の相談支援員Bさんの利用者数が、
どんどん膨れ上がっているのを目の当たりにして、
この二人の違いは何だろうと思ったことがあります。
支援の終了とはなにか。
相談支援をしていると、
定期的にお会いして、
相談を聞いたり、その解決をしたり、
いろいろなサービス機関につなげたりしますが、
Aさんも、そうやってたくさんの相談を受けていたようです。
でも、次々くる相談を受け付け、
サービス機関につなげても、
定期的な面談は変わりないので、
利用人数はどんどん増えるばかり。
これは、立ち行かなくなると思ったのではないでしょうか?
そこで思ったのが「支援の終了」です。
相談機関で支援の終了をしたとしても、
ほぼどこかの機関(施設や企業など)と
つながっているわけですから、
安定していけば、その事業所だけで、
対応ができるはずです。
もちろん、困難ケースであったり、
さまざまなサービス機関との調整が必要な場合は、
簡単に終了にはできませんが、
どこかにその利用者をつなげ、
そこで解決できそうであれば、
いったん終了して、事業所に任せ、
万が一何かうまくいかなかったり、
別の相談ができたりしたときには
再度関わるということにしたようです。
こういう相談の受け付け方をしているのは、
Aさんが、真剣に、本当にサービスが必要な方に
必要なだけ届けたいという思いからだと思うのです。
一方、Bさんは、
あふれる利用者に、
立ち行かなくなり、
何に影響が出て行ったかというと、
こなすだけで、発展的な支援ができない状態に
なっていたと思います。
定期的に会うだけの、
何も変わらない状況の利用者の方も多かったようです。
さらに、書類が書けなくなっていました。
たくさんの利用者に会うのがいっぱいいっぱいで、
記録がつけられない状態だったようです。
そして、残業し続けていたようです。
私たち職員の身体は有限だと思うのです。
その中で、できることしかできません。
相談支援をしていて、
ここまでで終了と思うことは、
その方を捨て去ることではなく、
他の必要な方に福祉が行き届くためのものでもあります。
相談支援職員は、
自分が関わっている利用者の方が、
これからも今までと同じような
「相談支援」を必要としているのか、
見極める必要もありますし、
事業所側も、何でも相談支援事業所ありきではなく、
できることは事業所でするべきです。
全体の社会資源という観点から、
量や質にこだわって行くべき部分なのではないでしょうか?
支援の終了。
そういう「支援」もあることを、
相談支援をされている方は、
ご一考くださいませ。