知的障害がある方で、
作業の失敗がわかる方がいますが、
彼らの中では、
「失敗=いけないこと」という構図が
大きくあります。
特に、子供時代から、
できないことを何度も何度も
がんばるように親から言われたり、
就職して、他の社員さんに叱られたり、
そういう、できない経験だけではなく、
できないことでの周りの反応に、
自分がダメなんだと思うことが多いようです。
ですから、「失敗した=いけないこと」という構図になりがちで、
こういう方は、本当はできているものも多くあり、
一部で失敗をしてしまうだけの場合も多くあります。
それなのに、1回失敗しただけで
気を落としてしまう感じです。
迷惑かけられないっていうことなのかもしれません。
知的障害がある方の中には、
チャレンジして、時間をかけて練習をして、
何年もかかってできるようになる方もいます。
その間、できないと思うのではなく、
ここまでできるようになったという感覚を
持っていただくことは大事です。
最初からうまくいくはずがないのですから。
失敗体験が大きいと、
他の方より、自信を無くしている可能性もありますので、
「最初より、今日のほうができてるよ」ということや、
「この部分はできてないかもしれないけど、
この部分はできているよ」という確認を
ご本人としていくことが必要です。
そして、「失敗した!」という感覚になった時に、
「失敗したことがわかったのはすごいよね!
そこがわかったから、次が今よりうまくいくね」という導きや、
「失敗は成功の基!」とか、
「どんまいどんまい!」
という励ましなどでも、
彼らの心が和らいでいくことがわかります。
そして、実際できたときに「できたよね?」という確認も必要ですね。
叱るよりほめるほうが、
次につながるのです。
また、支援者が、「失敗しても大丈夫だよ」という、
おおらかな気持ちで、
接することでの失敗率の減少もあります。
支援者が、ピリピリしていては、
彼らも緊張して、
失敗しないようにと思うからこそ、
持っている力が発揮できないかもしれません。
私たちだってそうだと思うのです。
彼らも同じです。
もしも、失敗を許されない下請け作業などの場合は、
同じような部材で練習をしてみてもいいと思います。
自主製品であれば、材料はある程度失敗分も見込んでみたり、
やり直しも必要になるかもしれません。
それでも、
できているものが確実にあるのであれば、
失敗したことを責め立てるより、
できているほうに目を向けたいのです。
材料が違うものだと、できない気がしている人には、
「以前やったあれと同じことをすればいいんだよ!」など、
その人の経験を再確認することも効果があります。
ご本人には、できているものを評価して、
やる気が失われないように支援していくとともに、
あなた自身はできなかった原因は支援の力で
解決できるものがあることを
つかみ取ってください。
なぜ、できなかったのか。
道具?
環境?
など、
ご本人以外のできない原因です。
そちらも探りながら、
ご本人には、「失敗しても大丈夫だよ!」と言葉をかけ、
成功体験に結びつけましょう!