作業の指示書を作っている施設も
あると思いますが、
その指示書は、
支援者が作っていますよね?
どんなやり方をすれば、
良いかが書いてある、
いわば、
料理レシピのようなものです。
その職員が作った指示書そのもので
分かる利用者の人もいると思いますが、
利用者が参加する方法もあります。
それは、より理解しやすい指示書を作るためです。
まず、この作業はどういう内容かを
ご本人にお話しします。
それは、支援者の作った指示書を
見せながらになります。
そして、この指示書が、
本当にご本人にわかるのかを確かめます。
作業の仕方をご本人にお話ししてもらってください。
私たちが使った言葉や図は、
職員に書いてもらったと言うことを意識するので、
わかった気になるのですが、
いざ、指示書に書いてあることを
ひとりで説明すると、
理解できていないことも確認できます。
次に、もし、理解できていなかったりあやふやな場合、
どんな言葉や図を使ったほうがわかるのかを
ご本人と確認してください。
そのままでもよい場合もありますが、
そうでない場合もあるのです。
たとえば、私が「中央に線を引く」という
仮の指示書を作ったとして、
それを、どんな言葉が
わかりやすいか聞いてみてください。
「中央」よりも、ご本人にわかる言葉があるなら、
そのほうがいいのです。
なぜなら、彼ら自身が使う指示書ですから。
ここで、職員は間違えやすいのですが、
職員が作った指示書でしなければならないと
考える必要はないことです。
なぜなら、この作業は、
できるだけ一人でやれれば、
自立方向に行きますので、
そちらを目指すべきだからです。
職員の言葉を理解させることに
重点を置くのではなく、
最終的に作業が滞りなく、
不良とならずに出来上がることに
重点を置くべきなのです。
ですから、
その人に合った指示書を作ると
言うことなのです。
つまり、指示書は、
一人一人違うということもあり得るのです。
さて、先ほどの例の「中央に線を引く」を
どのように書いてあったほうがわかりやすいかを
ご本人に伺うと、
そのままの言葉ではないことがあります。
「まんなかに線」とか、
「まっすぐな線をまんなか」とか、
その利用者の人の言葉を拾い出してください。
その人のわかる言葉を使って書いた方が
わかりやすい時もありますし、
その利用者が書きなおしができるのであれば、
ご自身で書いたほうが、
アウトプットになり、効果的な場合もあります。
こうやってできたものを
作業の時に使っていくことです。
そして、実際に作業を進めつつ、
不具合が生じた場合は、
指示書がその利用者の人に
合っていない可能性もありますので、
直していくことになります。
このように、指示書は、
支援者から一方的に出すだけではなく、
「参加型の指示書づくり」をお勧めします。
また、指示書は1度作ればおしまいではなく、
時間を追って変わっていく可能性もあるものです。
理解力も高まり、
正確な作業となるよう、
指示書にも力を入れ、
一人ひとりが理解して進められる作業を
目指しましょう!