たまたまその人は、知的障害があり、
あなたの施設を利用しています。
もし、知的障害がなければ、
たくさんの同じ障害の人と、
一緒の建物で
何十年という年月を
過ごすこともなかったかもしれません。
専門的に支援をする人的配置や建物。
障害にあった福祉用具や物品の都合上、
一人ひとりにではなく、
そういうものや人を集めた建物に、
知的障害がある人が集まってくるという方法で、
利用をされているのが現状です。
さらには、その建物の中での
スケジュールや活動についても
より効率的で、職員人数に見合った
活動にせざるをえないと
お考えの方も多いことでしょう。
だからこそ、集団での活動が多くなり、
この人だけに
そんな支援をしてよいのかと思われがちで、
「ひとりだけ特別な支援はできない」
というイメージで、
支援の個別化も
図られないことにつながります。
このような、集団の中にいることで
毎日が過ぎていく知的障害がある人への支援が
多くの施設で展開されていますが、
あなたが、逆の立場だったら、
どうお感じになられることでしょう?
自分に障害があるから
集団が主流となっても仕方がないと思われるか、
集団でいる中でも、
もっと自分に対して、
主人公としての生き方への支援を
してほしいと思われるか?
後者の方が圧倒的に多いと思うのです。
あなたは、その施設の職員として、
自分がされたら嫌なことを
利用者の皆さんにし続けるのではなく、
ひとつでもふたつでも、
その人の個別支援を
展開できると考えることはできないでしょうか?
特によくあるのは、
1.この活動に出なければならないということ。
2.同じ時間に来て、同じ時間帯を同じことですごし、
同じ時間に帰るということ。
3.週5日来るのが基本であること。
もちろん、もっとほかのこともありますが、
この3つのことは、特に
調子が悪くなければ、
全ての利用者が
同じようにしなければならないという状態に
なってはいませんか?
この3つのことが、
自分にはできないという意味で、
その施設を利用できないと判断している人も
たくさんいるのです。
ならば、ご本人の人生から考えた個別性で、
集団の中での支援の組み立てを
考えてみませんか?
全て、全員が同じでなくても
大丈夫なことはありますよね?
例えば、私たちの労働環境も
どんどん個別性になっていますよね?
勤務時間や働く曜日、
何時から何時までというものも
個別になっています。
利用者の皆さんも
全員が朝揃っていなくても良いと思いますし、
帰る時だって、
決めた時間でなくても良いと思うのです。
調子が悪い時でなくても、
人生の中には様々な用事もありますし、
気分というのだってありだと思うのです。
全員が同じことをしないと、
職員体制が回らないといあ、
その人だけ特別はよくないとか、
そのようなイメージから入るので、
考えられなくなっている可能性もあるのです。
彼らが主人公になった人生の支援を
できる方法は?と考える。
あくまでもその発端である、
3つのことなのです。
この3つのことを利用者逸れぞでにしていくことで、
複数の活動が
用意できることにも
つながる考え方が持てるようになるはずです。
自分が集団の論理で
動くつらさがイメージできるのであれば、
彼らにその苦痛を味わっていただかないためにも
立ち止まって考えてみませんか?
そして、色々な人生を支援する場所が
1か所で展開せざるを得ないということでの
不具合なのだという意味で
とらえてみませんか?
その不具合を少しでも解消し、
彼らがより、楽に利用したい形に近づけるのは、
私たち支援者の仕事だと思います。
基本形を作った後にでも、
自由裁量のソフト面を充実させていきましょう!