知的障害がある人の事業所の職員をしていると、
彼らと対等だとか、
仲間だとかのイメージがあると思います。
昔、職員が、
知的障害がある人を
管理する時代がありました。
そうではないという
理解も進みましたが、
あえて言うことで、
私はあなたを上から見ていませんという
意思表明なのかもしれません。
でも、
知的障害がある人たちは、
あなたのことを
どのように見ているのでしょうか?
結論としては、
あなたを上に見ています。
どんなに、職員であるあなたが、
対等だと言っても、
彼らがそうは見ていない
状況だと言うことです。
なぜ、彼らは私たち職員を
上に見るのでしょうか?
それは、職員として
関わるからです。
ですから、あなたが職員だある限り、
この見方は変わらないのかもしれません。
同じ施設の中でも
利用者の人同士だと、
明らかに対等の関係になっているので、
彼らは気づいていますね。
利用者と職員は違うと言うことに。
そして、
私たちの言動が、
彼らに「上の人」と判断させる
原因があるのです。
支援する
やり方を伝える
まちがいを伝える
ほめてくれる
大変なことをしている
親がお世話になっているという
など、
さまざまなシーンを
彼らは思い描きます。
特に、
自分ができない人だとか、、
迷惑かけていると
思い込む人もいますし、
そういう状況だと、
職員がいないと
困る人もいます。
すると、
困っていることを
助けてくれる人というイメージで、
「助けてくれる=偉い人」という
解釈になってしまうことにつながり、
上の人になってしまうのです。
私たち職員が、
WINWINの関係を
作りたいと思っていても、
なかなかそうはならないようです。
ですから、私たちは、
まず、こういう状況だと言うことを
認識するべきなのです。
私たち職員側が、
どんなことをしようとも、
彼らは私たちを
上に見ているという事が事実なのです。
どんなに敬語を使おうが、
事あるごとに、
「利用者さま」と呼んでいてもです。
そのうえで、
自分たちがしていることを
振り返りましょう。
上の位置にいると
思っている人から、
言われた言葉は、
対等と思っている人から
言われた言葉よりも
重くなります。
友達同士で、
「何やってるの?」
といわれてもなんともないことが、
上と見ている人から
「何しているのですか?」
といわれれば、
怒られた感覚にもなるのです。
どんなに敬語を使おうが、です。
職員に言われたことに
従っておいたほうが
良いだろうと思い込んだり、
自分の考えは
間違っていると思い込んだり、
自分自身はだめなんだと
思ってしまう事さえあるのです。
彼らに、
意見があったら伺い、
意見が出るように支援し、
職員に対して文句が出たら、
それを言いきれるように
味方になる。
敬語を使えば、
彼らと対等になれるのではないのです。
そんな表面だったところに
固執するのではなく、
あなたの考え方を変えなければ、
対等であるというという
感覚のずれは修復できません。
ただ単に
気をつければよいという
レベルではなく、
知的障害がある人の
考え方や生き方を
まず、知っていく姿勢を持って、
その人が
その人の人生の
主人公であることを
常に、意識していくことです。
彼らが、私たち職員を
上の人と見ている以上、
彼らに対してすることは
対等でないと思われている
関係性の中での言動であると
イメージをして、
私たちの行動をしていく。
軽く考えていたことが、
人権侵害となることもまた、
認識しましょう。
そして、
常々、
関係性の改善をするべきです。
職員が、上にいる人ではないことを、
その人に受け入れられやすい形で、
伝えていくことです。
私は一番良いのは職員に文句を言い、
改善してもらうとか、
職員に対して、
何かを教えるとか、
要するに、
職員がやっているようなことを
彼らもやれる機会を持つことなのでは
ないかとも考えます。
立場の逆転というか、
そういう機会があると、
認識の仕方も変わってくる
可能性があります。
そして、職員を信じてはいけない
と言うこともまた、
伝え続けていくことです。
私たちから、
彼らとの関わり方に変化をさせ、
上下関係が途切れてくれるよう、
できることから改善していきましょう!