その感情を表すのは誰のためか?



知的障害がある人の支援をするときに、
あなた自身が喜怒哀楽を
出すと思います。

どんなシーンで感情を出しますか?
その感情は、相手の人にとって、
そして、自分にとって、
良い感情ですか?

例えば、
知的障害がある人が、
あなたの思った通りの行動をしなかったとします。

すると、怒り出してしまうあなたがいませんか?

さて、あなたは、
何のために怒っているのでしょう?

彼らのためというように見受けられますが、
本当のところを言うと、
自分がこんなに一生懸命やってるのに!と、
自分のしていることを
主張するような怒りではないでしょうか?

自分はちゃんとやっている。
なのに何であの利用者は、
ちゃんとやらないんだろうか?
あの人が悪い!
という気持ちが怒ることに
つながっているかもしれません。

また、あなたがプライベートで
悲しい気持ちになっていたとします。
それを引きづって、
職場に行き、
その気持ちを吐露しすぎるのも
自分自身が主となってしまう可能性があります。

私たち支援者は、
人ですから、
感情があるのは当たり前です。
そして、別な視点で見ると、
どこかで誰かに
認められたいと思いがちです。

認めてもらうために、
色々なことをして、
自分を認めてくれそうな人を
選んでいます。

認められるために、
何か主張している方法が、
喜怒哀楽となる場合があります。

なぜなら、
それは、相手にわかりやすい
あなたの変化だからです。

もちろん、
あなたは無意識かもしれませんが、
人は、無意識の中で、
認められたいための
行動となりがちなのです。

でも、
その感情むき出しの
あなたの態度は、
利用者の人にとっては、
どう映るのでしょうか?

支援とは、
利用者が主体であるべきです。
彼らの人生の主人公は、
彼らでなければなりません。

あなたの喜怒哀楽は、
彼らのためにならないのであれば、
あなたは、
自分のために
喜怒哀楽を表出しているのであれば、
それは、
彼らにとって、
邪魔なものになります。

ですから、
自分のことをコントロールして、
喜怒哀楽が、
全面に出すぎないようにしたいものです。

その喜怒哀楽のために
利用者の皆さんが、
自分らしさを出せなかったりしていませんか?

あなたの感情、
特に怒ることに対して、
利用者の皆さんが、
委縮していませんか?

利用者の皆さんの方が、
悲しい感情を押し殺し、
あなたのおもいっきり明るい笑顔に疲れていませんか?

彼らの感情が先に来てほしいのに、
あなたの感情が
一番に目立っていませんか?

そして、逆に、
楽しくないのに
無理に笑顔を作っていることで、
あなた自身の感情も疲れていませんか?

私たちは、いつも、
利用者の人たちの感情が
穏やかになるように心がけますが、
彼らの感情が前面に出るようにこころがけ、
自分の喜怒哀楽が出すぎるのは、
相手も自分も疲れることにもなりかねません。

あなたの感情によって、
その日1日が嫌だったなあと
思ってしまわれるようでは、
やはり良いとは言い難いのです。

かといって、
自分自身を認めてもらうために出す感情もまた
あなたが疲れる元にもなるのです。

自分の感情が、
利用者の皆さんの
感情を後ろ向きにしていないか、
喜怒哀楽全てにおいて、
あなたの感情がむき出ししすぎて、
彼らのがまんを誘発していないか、
そして、自分も疲れていないか、
自分の感情を考えることをしてみてください。

その感情の表出方法が、
自分のためにならないように、
気づけるよう自分自身の気持ちも
安定させるように
マネジメントをしていきましょう。

そして、自分が認められるための感情表出についても
考えることをしてみましょう。