地域の課題を改善する力になると



知的障害がある人の社会福祉施設は、
行政区の中で一部に密集しているのではなく、
それなりに、距離を持ち、
点在していると思います。

私たち福祉施設が、
地域のニーズを取ると言うことを
どのように実践しているのでしょうか?

来るのを待っている。

この方法が一番多いのではないでしょうか?

しかし、私たち福祉の担い手は、
その課題を積極的に解決していくために、
地域に目を向けるべきなのです。

もし、地域の中に、なんらかの課題が生じていた場合、
彼ら知的障害や自閉症の人の
生活のしにくさにもつながる可能性があります。

例えば、
近所の商店で、
知的障害があることのことで
困っているという情報は、
逆を返せば、
知的障害がある人にとっては、
買い物をしにくいお店だから、
何かをした可能性があります。

このパターンは、
実は身近な所でも起こっています。

ご家族が困っている事が見受けられる。
その場合、ご本人の方が困っている。

それと同じです。

地域の中の
「困っていること」を発掘して、
解決することが、
知的障害の人自身の暮らしやすい街づくりにもなる
というイメージはお分かりになるでしょうか?

企業の中でもそれは同じです。
企業に雇用されている知的障害や自閉症の人の
困っていることより、
企業側の困っているがクローズアップされます。

最悪、解雇にもつながってしまう事態ですから、
早めの解決が望まれるのです。

このような、
知的障害や自閉症の人が困っていることは、
ご本人たちが訴えられるとも限りませんし、
私たち側には情報として入ってこない状態になりやすく、
さらに、地域の人たちが困っている場合も、
その商店や企業の中でしか共有されずに、
知的障害や自閉症の人たちが、
悪者になるようなことさえあるのです。

その声は積極的に浮かび上がらないのです。

ですから、私たちのような地域に点在している事業所は、
この「地域のニーズ」に積極的に目を向け、
その解決のお手伝いをしていくべきだと思うのです。

もちろん、その中には、
障害がある人に関わらない事であっても
ゆくゆくは障害がある人の生活のしやすさにも
つながる可能性があります。

施設の中だけで完結し、
それ以外の部分は、
範疇ではないと思っている職員も
多いことでしょう。

目の前にいる時のことしか
考えるつもりもないという職員もいると思います。

障害がある人が生活しやすい地域づくりや
就労した際に、
企業の中で、働きやすくなるために、
彼らだけが社会に合わせて
がんばることではなく、
いつも通りの力を出して、
いつも通りにいることができる
日常を作る事という考え方はできますか?

ですから、先ほども書いたような、
「地域のニーズ」を
積極的に取り出してほしいのです。

困っていることを
SOS化して、
施設に届くようにならないでしょうか?

待っているだけではなく、
取りに行く。

障害がある人のことで困ったことはないですか?
御社のお手伝いすることはないですか?
と、相手に届かなければなりません。

それには、
発信を続けていくことです。

地域のお祭りや町内清掃などへの参加。
企業の仕事をお手伝いする。
お店に利用者の人と出かける。
そのような、施設ができることで、
関係性を密にして、
相手から、ここに相談しようかな?と
思って頂けるためのアクションです。

あなたの地域の事情もあるでしょうけど、
そこにあった方法で、
あなたから相手にアクションをかけることです。

いわゆるマーケティングです。
相手が何を欲しているかをつかむことから、
考えることです。

そのための、発信なのです。

そして、回りまわって、
自分たち(利用者)にも利益になるのです。

あなたの施設にとって大きな負荷になることは
避けたいところですが、
何が、利用者の自立のためになるかという視点で、
いつもと違う視点で
地域というところに目を向け、
地域の困りごとを積極的に解決できる拠点となりましょう。

ちなみに、入所施設から人が出てくれば、
地域福祉が充実したと言うことにはなりません。
それと別な視点で、
地域づくりという観点も持ちましょう!

再度、考えるべきは、地域なのです。
彼らが、地域の中で生活をしやすくなるために、
私たち施設事業所は、
もっと地域をよくすることに視点を向けましょう。