相談者が納得できる面談



相談者からの苦情で、
「ちゃんと話を聞いてくれない」
ということがあります。

納得ができなかったようです。

支援者からすると、
え?っと思うようなことです。

充分話したよね?
笑顔で帰ったじゃないか?
そう思うシーンが、
頭をめぐるかもしれません。

たとえば、その人との面談で
3時間かかったとしても、
その人が、
ちゃんと話を聞いてもらえたか?といえば、
そうは思わないこともあるのです。

「ちゃんと」とは、
どういうことなのでしょうか?

これは、時間の長さではなく、
中身の濃さなのです。

つまり、その相談をされた方が、
自分の話を出せるだけ出せたり、
混乱していたけど、
うまくまとめて話しができたり、
相談員が、自分の話を理解してくれたり、
相談員が、自分のわかっていないところを
理解できるように話してくれたり、
安心ができたり、
次の方向性が見えたり、
その相談者にとって、
今のもやもやした霧が少し晴れたり、
行く道が少しでも明確になった時などに、
充分に話したと思えるのです。

なにか、もやもやしたままや、
わかってることを話されたり、
できないことをやるよういわれたり、
解決しないままで、
話しが終わったのであれば、
充分に話を聞いてくれなかったと
感じることなのです。

本来、相談があったら、
受け手から時間を区切るべきでは
ないのかもしれませんが、
時間が多ければ良いわけではなく、
1時間など時間で区切って、
また、次回にしようと、
終了することも多くあると思いますが、
次につながったとしても、
この1時間の中で、
その人が得られたと
感じられるものがあるべきです。

そして、時間いっぱい使って、
話せばいいのではなく、
10分でも、納得する話ができれば、
そこで終了してもかまわないのです。

また、こちらの意見ばかりではだめです。
やはり、相談者が自分で
こうしたいと進む方向を
決められるような、
面談を心がけると、
相談をしてきた方も
充分に話を聞いてもらえたと
思われるのです。

実は、相談をしてきても、
ご自身の考えは、
もう決まっている人も多いのです。
もちろん、ご自分の話をしたいだけ
ということもあります。

それなのに、支援者が、
こうしよう、ああしようと
アドバイスをすることを主として、
時に、相談者の考えと全く違うことを
アドバイスするものになってしまうと、
相談者自身の考えが
尊重されないと思うでしょうし、
押し付けられたような感覚にも
なりやすいのです。

つまり、
納得感は得られにくく、
「ちゃんと聞いてもらえない」
という感覚になってしまうのです。

後押しをしてほしいだけの方もいますから、
支援者は、見極めたいところです。

「ちゃんと話を聞いてもらえた!」と、
相談をした人が、
すっきりした気持ちになっていただけることを
意識した面談を心がけましょう!

そのためにも、
まずは充分に話を引き出すところから
始めたいものですね!

相談者のことを知って行こうとすることです。
相談者の力を引き出していくことです。

そして、さらに、
もう大丈夫という状態だったとしても、
他には何かお困りのことはないのかを
伺ってみましょう。

相談者自身が大切にされている感覚は、
やはり、相談者が思っている以上の
心配りから得られるものです。

そして、相談者は、
何もできない人ではありませんから、
隠れた力を使っていただけるよう
話しを引き出して、
その人のできることに目を向け、
がんばりすぎることのないように
したいところです。

まずは、今以上のこころの安定を
手に入れていただきましょう。

そうすることで、
もっとその人は力を
発揮できることにつながりますので、
すっきり感も倍増するのです。

相談者が主人公になり、
相談者が、来てよかったと思えるよう、
部屋の空間などにも心を配り、
居心地の良さも含め、
「ちゃんと話を聞いてもらえた」という
ここちよさにつなげましょう。