協調性を目標とするのですか?



私は、大学を4年の卒業前に、
ある福祉団体の就職試験に行き、
いろいろと自分のことについて書く
マークシートがあり、
「協調性」に「×」をしてしまったのですが、
「協調性」の意味が解っていなかったのです。

家に帰り、意味を調べて、
協調性あるよな、たぶん自分は・・・と思い、
この試験に落ちたのは、
このミスのせいだと思ったくらいです。

まあ、そこを落ちたから、
今自分がここにいる気もするので、
結果は落ちてよかったのですけどね。

さて、その「協調性」という言葉ですが、
施設の職員が大好きな言葉ですよね!

利用者同士でだれとでも仲良くとか、
協調性をもって作業に取り組むとか、
団体行動だからこそ求めてしまうのでしょう。

個別支援計画でも、
そういう目標を立てる支援者は多くいます。

でも、協調性が身につかなかったと評価し、
ご本人が注意を受けるようなことに
なってはいないでしょうか?

協調性。

絶対にむずかしいと思う人にも、
そういう目標を立てていませんか?
協調性がないから、身につけるべきだと
お思いなのだと思いますが、必要ですか?

協調性がないと思われている人は、
自ら協調性を無視しているわけでもなく、
「協調」することが難しい障害の人ではありませんか?

または、障害ではないにしても、
人のことまで考えることが
力量超えている人かもしれません。
自分のことで、
いっぱいいっぱいという感じでしょうか?

支援者は、その人の障害を無視してはいけません。
人によってできないや苦手なことはあるのです。

それに、人とうまくやりたいと思わなければ、
協調性も不要かもしれません。

もちろん、協調性というものが
身につくこともあるかもしれませんが、
身につかないからといって
無理やり身につけさせることではありません。

本当にご本人が
協調性を身につけたいと思われているのかどうか、
きちんと確認をした方が良いのです。

協調性。

それを目標にしようと思ったときに、
なぜ、そのことを目標にしようと思ったのかを
もう一度考えていただきたいと思うのです。

かっこいい言葉に酔いしれたのであれば、
利用者は被害者です。

周りの人と協調性が保てない人が
たくさんいると思いませんか?

特に知的障害や自閉症の人たちに、
簡単にそれを求めることでもないし、
どうやって協調性を養うかは、
わかりにくいことです。

もし、求めるなら、その人の支援に
職員集団として充分に入るということでしょう。

できますか?その支援。

非常にあいまいなことなので、
どんな支援をすれば、
協調ができるようになるのか、
充分に考えていただきたいと思います。

もしかしたら、協調性がないと、
人に迷惑をかけると思っているのでしょうか?

協調性がなくても仕事ができたり、
他の人に迷惑かけない生き方もあるわけで、
そんな人生でもいいのかなとも思うのです。

あなたがイメージする
協調とはどんな状態のことですか?

あなたが、協調性に求めるものを
もっと具体的に明らかにして、
その人に「協調性とはこういうことです」を
説明して、
協調性がないことは
その人にとって困ることなのかどうかも
確認を取っていきましょう。

そのうえで、
協調性を身につける支援を展開するのであれば、
ご本人にイメージしやすい状況を作り、
支援をしていきましょう!