自閉症支援:訴える方法は、それしか知らない


まだ言葉も獲得していない状態の赤ちゃんは、
泣くことで訴えます。

おなかすいたよ!
眠いよ!
汗かいちゃったよ!
オムツが濡れてるよ!
などなど、
すべて、原因があり、
泣くということで訴えています。

この手の行動を
自閉症の人に当てはめてみましょう。

怖いよ!
わからないよ!
暑いよ!
音がうるさいよ!
情報が多すぎるよ!
急に変更しないでよ!

などなどの原因があり、
どんな方法で訴えるでしょうか?

大声を出す。
飛び跳ねる。
飛び出す。
物を壊す。
人をたたく。
自分を傷つける。

などなど、
ご本人以外の人が見たら、
よくない行動と思われるようなことで
訴えていることがあります。

これは、「問題行動」と呼ばれることがあり、
支援者からも、
止めることが
主目的になってしまうような
訴え方なのです。

なぜそのような行動を
するのかをわからない支援者もいて、
その支援者は、
まず、
「この人の訴え方は、こういう訴え方なのだ」と
学んでほしいと思うのですが、
この行動そのものは、
SOSだと認識しつつも、
やっていることは悪いので、
注意をしようと思う支援者もいます。

お願いしたいのは、
ここで注意をすることは、
何の解決にもならないということです。

たしかに、
物を壊した、
人をたたいたなどの場合、
相手に対して、
「謝りなさい」
といいたくなるかもしれません。

でも、彼らと接する時に
もう一つ覚えていてほしいことは
注意してもあまり意味がないことです。

ですから、
ここは、
「訴える手段」を身につけていない人が、
「訴えるためにそのことをした」と思い、
訴えを聞き、対処することです。

まずは、原因を省くことに
集中していただきたいのです。

支援者が怒るということは、
その人は、
訴えをしてはいけなかったという
立ち位置にさせてしまいます。

たしかに、訴える方法は
違っているかもしれませんが、
訴えたことが、実現されず、
注意されて終わりという
パターンが非常に多くあるのです。

たとえば、
とっても良い作文を書き、
ほめるべきところを、
1文字漢字を間違えたために、
注意されているようなもので、
重箱の隅をつつくような
関わりをするべきではないと
思っています。

たとえば、それがきっかけで、
何かが起きたとしても、
先に解決するべきことは、
その人にとっての問題だったことで、
その人を問題化して行くことではないのです。

訴える方法を身につけず、
その方法でしか訴えられないのであれば、
ゆくゆくは、その訴え方以外の方法を
身につけるような支援も必要なのです。

そして、それはひとり
身につけられることでもありません。

赤ちゃんに泣く以外のことを
今、身につけろとは要求しないでしょう?

私が、関わった強度行動障害の人で、
訴え方が、職員の胸ぐらをつかみ
投げ飛ばすという人がいましたが、
言葉を持っていた人だったので、
不愉快なことがあった時に、言葉を使って、
職員に訴えるというやり方を
身につけられるよう支援したところ、
できるようになったので、
パニック行動がなくなった人もいます。

結局は、私たち支援者が何をするのか?
に関わってくるわけです。

相手の訴えを、
その人の行動の荒々しさで、
見抜けない支援者からは
脱していただきたいと思いますし、
その人を怒ることでも解決しません。

訴え方の支援もしつつ、
その人の不快感も取り除ければ、
ベストな支援になることでしょう。

訴えは、
訴えとして、
きちんと受け止めてください。

そのうえで、訴えてきたことの解決に結びつけたり、
訴え方の変更をしていくことです。

今持っている訴えの仕方以外の方法を獲得すれば、
誰に迷惑になることもなくなります。

ぜひ、支援するべきことを整理して、
その人に関わっていきましょう!