自分の感情をコントロールできるか?



私たちは、
支援者として、
日々、様々な知的障害がある人と
接することになります。

様々な人と接する時に、
その人の言葉や
態度を見て、
一喜一憂することに
なってはいないでしょうか?

相手の喜びに
自分も喜んでいるくらいならまだ良いのですが、
喜怒哀楽、様々な感情があります。

その人の喜怒哀楽のたびに、
支援者であるあなた自身の感情が大幅に
揺れ動くこともあるでしょう。

あなたの感情が、
相手の人の考えや動作や
感情によって、
変わってしまう事は、
実は、危ない場合もあります。

私自身、
一度、そういう状態に
なってしまったことがあります。

まさに、ミイラ取りがミイラになるような状態。

ある人の生い立ちと感情に、
過剰に反応してしまい、
うつ症状のようになってしまいました。

その問題を解決しようと、
様々な本を読み漁り、
自分が何とかしなければと考えました。

そんな私自身の状態を、
見ていた友人が、
私の感情にストップを入れてくれたのです。

「まず、そこから出なさい」と。

渦中にいると、
自分自身が巻き込まれていることが、
わからなくなるのです。

そして、自分が何とかできると
思い込んでしまうようです。

今、例えて言えば、
アリ地獄でしょうか?

中に入ってしまったその人を助けるために、
自分が飛び込んでしまうと、
ふたりともそこから
抜け出すことが出来ないイメージ。

だから、入ってしまった人を助けるには、
外にいつつ、
ロープを投げられるようにして、
その人を助ける。

もし、ロープがダメなら、
他の方法を考えられる。

そのように、渦中に入らないようにして、
自分を離れた場所に
おいておくことだと思うのです。

どうしても、気づかず、
自分が渦中に入っている人が多いと思うのです。

やさしい支援者、
責任感が強い支援者、
自分ならできると思い込む支援者。

SOSを発したその人も、
頼り切っていますから、
見捨てられなくなるのです。

あなたがその人を助けたいと思うならば、
まず、距離を置いて、
全体像が見えるようにしましょう。

時に自分のことも
第三者的に見えるようにしたいところですし、
それが難しいのであれば、
チームの誰かをたよることです。

あなたが、がんばっても
倒れてしまったら、
その人を助けられません。

本当に助けたいと思うのであれば、
まず、あなた自身の安全地帯を
作っておくことです。

SOSを発する人たちの
負のオーラは、
ものすごく強力です。

その負のオーラには、
細く長く付き合っていくことです。

この手のことは、
一極集中で解決するものではありません。

相手がどんな感情できても、
あなた自身の感情をフラットにしましょう。

揺れを感じ、
フラットでいることを意識しましょう。

自分だけではなく、
あなたには仲間がいることも意識しましょう。

あなたが巻き込まれて、
自分を見失うことは、
SOSを出してきた相手を
助けることはできません。

自分の感情状態を
外から見ることが出来たなら、
自分でもコントロールができると思います。

いつでも、離れることが出来る場所。
そこは、その人を見捨てる場所ではないことを確認しつつ、
時にゆっくりと、
支援を続けられる場所になることでしょう。

あなたが、関わりをやめることにならないように、
自分自身をコントロールしていきましょう。