支援の量はどれくらい必要か?



支援者の中には、
知的障害がある人の支援を、
一生懸命にやっている人も多くいると思います。

たとえば、
生ものを売るお仕事でしたら、
今日お店においてあるものだけを売ったら、
ある意味、仕事は終了。

喫茶店のようなお仕事であれば、
来たお客さんが注文しただけの料理を出して
ある意味、仕事は終了です。

私たち支援者は、
終わりもなく、24時間、
どこかで誰かが支援している状態は続き、
その内容も、
様々な人生やその人の生活に
寄り添うからこそ、
終わりを感じることもないのです。

どこまでやっても、
何かもっと今以上の支援を
しなければならないのではないかと思い、
こんなことも、
あんなこともと思いめぐらし、
充分であるにもかかわらず、
充分と思えず、
まだまだ足りないような気になる支援者もいます。

これは、一生懸命な職員ほど、
そう思うようです。

したい(するべき)支援はわかっていても、
どこから始めればよいか、順番もわかりにくく、
次々しても、
なぜか自分自身の支援の量に満足できず、
もっともっとと思いがちな世界です。

なぜ、そうなってしまうのか?

知的障害がある人が、
もっとしてほしいといっているわけでなくても、
関わることが支援と思いがちですし、
彼らに変化がないと見えてしまい、
もっともっとと
量を積み重ねたくなるのです。

では、どう考えればよいでしょうか?

基本は、前の日と同等程度。
そして、ちょっとだけプラス。
という感じを持っています。

そのちょっとだけプラスが、
また慣れてきたら、それが通常の量になります。
そうしたら、またちょっとプラス。

ゆくゆくは、プラスの量が増えても、
支援者にとっては、
ものすごく多くの支援の量なのではなく、
そんなに大変さを感じない量だと言うことです。

なぜなら、その中で、
支援が必要なくなるものも出てくるからです。

支援される側も、
あれもこれもでは、
支援が入ることで、
いろいろな変化し過ぎてしてしまうので、
彼らが持つ力が
発揮できない可能性もあります。

支援者側から見ると、
彼らには、できないことが多くて、
もっと支援を入れれば
できるようになるかもしれないと
思うかもしれませんが、
相手にとっても、
あれもこれもとなってしまうので、
一度には無理なことも多々あります。

ですから、支援の量を一度に
もっと多くするという考え方ではなく、
「今の支援にプラスちょっと」
という感じで考えてみましょう。

もちろん、施設事業所であれば、
たくさんの利用者の中で
片寄りがあってもいけません。
ですから、ひとりの人に
集中的に量を多くするのではなく、
「今の支援にプラスちょっと」を
皆さんにしていく場合もありますし、
それでは、全体が
立ち行かなくなる場合もありますので、
一時には、
しないこともあると言うことも
覚えておいてください。

現状少し不都合(障害)があるかもしれませんが、
あれもこれも支援したいという気持ちは少し抑え、
少しずつプラスしていくことで、
支援も長続きさせ、
将来の自立につながるように
していきましょう。