お手伝いから始める自立の一歩



知的障害がある人たちは、
ひとりで何かをすることに、
ご本人よりも、
周りの大人のほうが不安で、
「ひとりではできない」
「ひとりでは危ない」
と、経験することさえ、
させてもらえないこともありますね。

何をするのも、
ひとりでできるかしら?
と、心配になるでしょうし、
お子さんが、一人で何かをしている姿も
想像しにくいことでしょう。

かわいいから、心配になってしまう。
かわいいから、親がやってしまう。

まだこの子には無理だし、
させるのはかわいそう・・・
と思ってしまう。

その気持ちわかります。

でも、
大人になるにつれ、
ひとりで何かをするシーンを、
思い描きつつ、
お子さんが
1人でできることを増やす子育てを
楽しんでほしいと思うのです。

そして、
「子どもがひとりでできることが、
親としての喜び」
に変えてほしいと思います。

さて、経験しやすいのは、
「お手伝い」です。

親と一緒のシーンで、
手伝いをするのが、
かならず、大人になった時に
活きてきます。

親御さんとしては、
今、お手伝いをしてもらうことが、
きっと大変なことだと思いますが、
遠い将来も考えてください。

実は、親自身の老後に、
お子さんが手伝っているご家族もありますよ。

重たい荷物を運ぶとか、
野菜を切るのを手伝ってくれるとか、
そういうご家族もあり、
助かってるというお話も聞きます。

早めに早めに、
ご本人の自立のためと、
ご家族の形成のために、
お手伝いをしてもらってはいかがでしょうか?

それに、必ず親がいつも近くに
いるとも限りません。
たとえば、
夜ひとりで寝ることも、
親離れのひとつですね。

こういうことは、
お互い、入院した時などにも役立ちますし、
親が、夜いないことだって、
ありえますから、
いつも必ず一緒にいる想定ではなく、
一緒にいないことがある想定を考えつつ、
お子さんの自立を目指してください。

SOSが言えることや、
ちょっとしたお買い物。

洗濯物を取り込むことができたり、
お留守番。

そういった中から、
お子さんが興味を持って、
できそうなことを
してもらうことです。

それは、
親離れですし、
子離れでもあります。

実は、親離れのほうが早いですね。
子離れのほうが非常に遅いです。

おうちの中で役割を持ったり、
万が一の時に一人でできることを増やすのは、
親次第です。

もちろん、無理強いはしてはなりません。

彼らのスピードで、
彼らの興味に合わせて、
やってもらった時に、
助かったよと
ひと声かけて、
ありがとうと感謝することで、
彼らはやろうとする気持ちもできて、
できることが増えていきます。

ひとつのことができることは、
他のこともやろうとする意欲にもつながりますし、
ゆくゆくは、
社会の中で、役割を持つことにも
つながるのです。

もちろん、経験は、
1回では覚えないと思いますので、
継続的にできるとよいですね。

例えば、洗濯物を取り込むことを
係にしている
ご家庭は多くありますし、
洗い物なども、
やってもらっていることを
よく聞きます。

何から始めましょうか?

できるだけ、小さいころから。
そして、もちろん大人になった今からでも
遅くはありません。

親御さんの片腕として、
ぜひ、デビューしていただきましょう!

そして、自立につなげましょう!