「障害者の親」以外の自分の肩書を持つ



自分の子供を知っている人から、
自分自身が呼ばれるときに、
「○○ちゃんのお母さん」で話しが済むので、
そう呼ばれていた時期はありますよね。

そのうち子供が大きくなれば、
段々にその名の呼び方はなくなっていきます。

でも、障害があるお子さんの親御さんは、
一生この呼び方が定着するわけです。

「○○さんのお母さん」
「○○さんのお父さん」

学校でも施設でも、
「○○さんの親」という
肩書がついて回ります。

自分という人間を表現するときに、
このままでいいのでしょうか?

常に、○○さんの親という
「セットもの」のように扱われる世界。

施設にお子さんを預ければ、
「○○さんのお母さん」というのが
ついてくるのが当たり前。

あなたご自身に、
お子さんとセットではない世界が
あるはずなのです。

ある施設の保護者会長さん。
バリバリに、お子さんの親として、
親の会でも行政でも名が通る人。
しかし、お子さんが、
急に亡くなってしまったのです。

今まであった肩書はなくなり、
居場所もなくなり・・・
福祉業界に、
その方のお名前もなくなりました。

これは、あまりよい例ではないのですが、
あなたは、あなたのお子さんの
親だけでいいのですか?

また違う例を。

あるお母さん。
息子さんが、40歳を過ぎ、
お母さんは、70歳を過ぎていました。

「息子が、施設で働いて頑張っているので、
私は正座をして、お茶も飲まないで、
息子の帰りを待っているのです」

どうですか?

こんな方はまれだと思いますが、
子供に時間を奪われ、
子のためにと施設に行っている間も
このようにしている方も
いらっしゃるのです。

つねに、自分の人生の大半を、
自分の子と作り上げている方が
多いとは思いますが、
ご自身の趣味や仕事、
また、障害者の関係者ではない方との
共通の話題で集まるなど。

さらには、社会活動など、
お子さんとは違う世界で、
あなたご自身の居場所を
作ってほしいと思うのです。

特にお母さんたちには、です。

そうですね。
簡単に言ってしまえば、
お子さん以外に興味を持ってみませんか?

そんなことをしている時間はない!
とおっしゃるかもしれませんね。

そういう方は、
子育てが一段落してからでもよいので、
遅くても、お子さんが20歳を超えたあたりから
ご自身のことを考えてほしいものです。

子離れも必要かもしれません。
だれかに、お子さんを託して
任せてしまうことも必要な場合があります。

お子さんに手がかかればかかるほど、
本当は違う場所の空気を
ご自身に取り入れたほうが、
リフレッシュができますし、
そうおっしゃる親御さんは多くいらっしゃいます。

また、あなたのことを
必要としている人は、
あなたのお子さんだけでは
ないかもしれません。

あなたのできることを、
社会の中で探してみては
いかがでしょうか?

たとえば、あなたの強みは何でしょうか?
お子さんを育てつつも、
人から頼られたことや、
趣味などで期間を
費やしてきたことはありませんか?
本当はこういうことが得意だったと、
お子さんが生まれる前に
していたこともあるのではないですか?

また、お子さんが生まれたことで、
調べたことや、
学んだことなどもありそうですね!

そういうことは、
社会から求められているあなたの強みです。

とりあえず、難しいと思うのであれば、
お子さんが学校や施設に行っている間に
映画でも見に行くとか、
そんなところから始めても大丈夫だと思いますよ!

自分は何がしたかったのか、
自分の夢は何だったのか、
そんなことも思い出してみてくださいね!