自閉症支援:模様替えは週末にやる



これは、私が推奨していることです。

様々な直接的な支援をするだけではなく、
施設の活動の場所などで、
他の利用者との関係性を考慮するなどのために
大幅に机やものの位置を動かしたほうが
良いことがあります。

そのようなときは、
事前に、職員でアイデアを出し合って、
決めておき、
実際に変更するのは、
週末をお勧めしているということです。

月曜から金曜日までの施設でしたら、
金曜日に利用者の皆さんが帰ったら、
さっそく始めましょう。

そして、土・日を挟んだ朝には、
変化に弱い、その利用者の人には、
玄関から職員が付き、
部屋が変わったことを一言伝え、
部屋に入った瞬間も
ご自身の活動場所までも、
職員が誘導します。

こういうひとりひとりに対して、
誘導を個別に行うことで、
不安定要素を取り除き、
新しい活動場所に、
すんなりと座ることができます。

どうして改善が必要か?ですが、
何かに対してパニックを起こしやすく、
一定の人に対して、他害という方法を取る場合などです。
つまり、見た目は、相性が悪い人同士が
同じ部屋で活動をしている場合です。

走っていき相手に他害をする場合は、
それ以外の利用者にも、突進するなどの危険性が高く、
部屋を変えることも必要な場合もありますが、
それができないときは、パーテーションなどで、
情報を減らしてみたり、
座る位置を変えたりすることも必要なのです。

この「他害」の理由は、
その人を嫌いというだけではないこともあります。

様々な音がしたり、
わからない情報や
支援者の支援の仕方にもよります。

それらに不快に
なったりわからなかったりなど、
困った時に、
一定の人をターゲットにする
場合もあります。

何かに不安定で、
その表現が他害という場合もありますので、
「他害する=ふたり別々の部屋にする」
だけでは、ターゲットが変わるだけで、
問題が解決していない場合もあります。

本来、常にこの手のパニックの原因を調べる時は、
多角的に見ていきますが、
緊急措置的に、
部屋の配置を変えるという場合があるのです。

単に、何かに反応してその時のターゲットが、
その人なので、
絶対にその人だけに、
常にというわけでないこともありますが、
いつ何時その人を他害していくかも
わかりません。
様々な安定を図るひとつに、
部屋の配置換えもありますので、
考慮してみてください。

さて、配置換えする際の
ポイントがいくつかあります。

部屋の配置換えをしたときは、職員は必ず、
その人の座るところに座ってみて、
情報が減り、
心地やすさが増しているかを
体感してみてください。

以前の場所に座ってみた時の感想と、
今新しい活動場所に座っての
感想を持ちましょう。

また、机といすのバランスが小さい場合も
不愉快になることがあります。
大人の男性でしたら、
大人の男性が小さな椅子に座っていて
不快になっていることもあります。
身体に合わせた椅子と机を用意しましょう。

音や光、
エアコンの風

自分の領域に
他者が入り込んでこないか?

など、「部屋」に問題がある場合もありますので、
動線も考慮しましょう。

さらには、他の要素で
パニック的になっている可能性もありますから、
部屋の中の変化だけではなく、
同時に私たちの支援を見直すことも必要ですし、
活動場所の変更をしても、
他害が減らないのであれば、
また何が原因かをさらに考えるなど、
これだけで簡単に収まるわけでもなく、
それでも、正解に1歩近づいたと思って、
次の支援を考えて行ってほしいと思います。

ちなみに、実は新しいことをする際には
部屋の模様替えだけではなく、
何でも週初めからすることを
推奨しています。
週半ばにやるより、
混乱が少ないので、
お勧めします。