知的障害:選挙への支援



以前いた施設の利用者が、
選挙違反の事件に巻き込まれました。

警察の方が、
施設にいらっしゃったのは、
その利用者を、
施設の職員が客観的に見て、
字が書ける人ですか?
意思表示ができる人ですか?
ということだったように
記憶しています。

その利用者は、
意思表示も不確かで、
字が書けない人でしたが、
第三者と選挙に行き、
その第三者が、
利用者の選挙権を使い、
投票したことで、
逮捕されました。

親御さんと一緒に
お住まいでしたので、
たぶん、その親御さんも
だまされたのだと思います。
「連れて行ってあげる」とでも
言われたのかもしれませんね。

さて、そういうことがあって、
私は選挙にも
支援が必要だと考えています。

たとえば、
字が書けない人でも、
「この人」と、
選ぶことができ、
選挙管理委員に頼めば、
支援をしてくれます。

そのためにも、
事前に入れたい人を
選んで、
紙に書いて、
持って行くことも
できます。

行く人は、
選挙ポスターを見ながらのほうが
選べると思います。
この場合は、ひとりひとりへの支援ですね。
他の人に情報を漏らさずにお願いします。

もし説明を求められた時は、
支援者の感情は抜きにしなければなりません。
立候補した人が言っていることを
彼らに伝わるように
お話しすることに徹しましょう。

特に自分が指示している政党の人ばかり、
投票に結びつくような
ことをしてはなりません。

もちろん、どんな理由で選んだのかは
私たちは聞くべきではないと思います。

逆に、自分は行かない
という人も多いと思います。

その場合は、
行かないのであれば、
投票所入場券を、
絶対に人にあげてはいけないと
話してください。

知り合いに、
「行かないなら、ちょうだい」
と言われかねない人たちです。
そして、「ちょうだい」と言われたら
あげてしまう可能性もあります。

捨ててしまうのは
どうかとも思いますが、
人によっては、
捨てるという選択も
ありかもしれませんね。

親御さんも
先ほどのケースのように
騙されてしまいますから、
家族会などでも、
行く人行かない人への支援のことを
お話しすることも大事かもしれませんね。

あの子にはわからないわよと
親御さんはおっしゃるかもしれませんが、
わからない有権者は、
世の中にはたくさんいますし、
彼らも案外、
街中で選挙に出ている人と
知り合いだったりしますから、
わかるわからないは問う部分ではありませんし、
わからないと決めつけてもいけません。

行くか行かないかだけ考えてください。

また、入所施設だと、
投票所入場券が、
どんと送られてきますから、
職員が使わないよう
管理も充分にしていただきたいです。

職員は信用してはいけません。
職員が使うなんてことは、
簡単にあり得ます。

どんなことの犯罪が想定できるのかと、
考えてみることです。

そして、
知的障害があっても、
選挙に行ける人は
増えてほしいと思っています。

選挙管理委員会も、
支援体制がだんだんに整いつつありますが、
まだまだ課題は山積しています。

でも、もし、不具合があったとしても、
行ってみることをお勧めします。
そうすることで、
選挙管理委員会も気づくことがあるわけです。

私は、毎度ですが、
自分の選挙に行くときには、
「知的障害がある人のために、
投票所の中に、
顔写真が欲しい」と話してきています。

ご本人の選挙に対しての支援は必要ですが、
そのまえに、投票すること自体にも
「障害」が存在しているわけですから、
選挙の方法も進化していかなければ
ならないでしょう。

自分たちには、何ができるか。
そんな視点で彼らの選挙の支援も
していきたいものです。