「大丈夫?」と聞いてはいけない



ある日の午後、活動が始まってすぐに、
現場の職員から、連絡がありました。

「(利用者)Aさんの腕がパンパンに張れている!」

すぐにAさんの所に確認に行きましたが、
明らかにおかしい状況。
ご本人の表情などはいつも通り。

リサーチしてみると、
昼休みにAさんと職員がぶつかって、
転んだ話を聞きました。

状況は以下の通りです。

昼休みに職員は廊下を歩いていて、
出会い頭に
利用者Aさんとぶつかりました。
そして、Aさんが転んでしまったのです。

職員からとっさに出てきたのは、
「だいじょうぶですか?」

Aさんも、
「だいじょうぶ」
と答え、何事もなかったように、
その場が収束したように見えたので、
それぞれ、場を離れて、
そのAさんも
自分の部屋に戻ったようです。

ここまでです。

結局は病院に行きましたところ、
骨折していることがわかりました。

さて、この「だいじょうぶ?」
職員はよく使ってしまう言葉ですね。

そして、実は使ってはいけない言葉ですね。

先ほどの事例でも
書きましたように、
支援者が「だいじょうぶ?」と聞くと、
彼らは「だいじょうぶ」と答える率が高いのです。

その時、大丈夫じゃなくても、
大丈夫と答えてしまうわけです。

大丈夫と答えられた支援者は、
よかった。大丈夫だった。
と思って安堵すると思います。

なぜなら、
大丈夫であってほしいという
心の表れだからではないでしょうか。

大事になったら、大変。
そんな感情。

別の時もよく聞きますよね?
咳き込んだときとか、
転んだときとかも。

「だいじょうぶ?」
と聞くのは、その人を心配しているより、
なんだか、事なきを得たい感情
なのかもしれません。

さて、話を戻しますが、
「だいじょうぶ?」
ではない言葉を
相手にかけてほしいと思います。

「痛いところがありますか?」
「変な感じしますか?」
「さっきと違いますか?」
「ちくちくとかズキズキとかしますか?」

など、その人が答えやすそうな
質問をしてみてください。

そうすると、違う答えが返ってきます。

私たちは「だいじょうぶ?」以外の
言葉を使うことになれていきましょう。

そして、彼らが考えていることや感じたことを
具体的に聞き出すようにしましょう。