自分がしたいことのために約束という支援



人は誰でもそうだと思いますが、
自分で決めたことを
どこかで、
やめてしまって、
計画倒れになることがあります。

禁酒・禁煙・ダイエットなど、
たくさんの人が挑戦して、
くじけていますよね。

さて、このような、
「自分で決めたけど、自分だけではできないこと」は
誰かに公言したり、
誰かと一緒にしたりすると、
効果が持続する場合もあるようです。

知的障害がある方の場合は、
やり方がわからなかったり、
忘れてしまったり、
何かアクシデントがでたり、
一人でするには難しい場合もあります。

自分でやろう(やらない)と決めたことを、
持続するためには、
支援者との「約束」という形をとることも
多く見受けられます。

その場合、
自分で決めたことが
中断されている状態に
支援者が気が付くという場合が
多くあると思われます。

このように
自分で決めたことを
やりつづけられない場合もありますから、
どんな支援をしていくか、
そんなお話しをしていこうと思います。

前置きが長くなりましたが、
彼らの場合は、
私たちが先に気づき、
あの件はどうなったのだろう?
やってない(やめてない)じゃないか!
という感情が支援者側に芽生えるので、
注意という形にも
なってしまいがちだと思うのです。

それを注意という形ではなく、
支援が必要な部分なのだと、
私たちが認識し、
忘れる人なんだ
できなくなってしまう人なんだ
計画が中断する人なのだ
と、認識しましょう。

*****

まず、ご本人がそれをやる(やらない)を
決めた時から支援は始まります。

1.支援が必要か必要じゃないか
確認しましょう。

2.それをやる(やらない)
理由を明確にしましょう。

3.方法を話し合いましょう。

4.続かなかったときに
どう支援をしていくかを
ご本人と決めましょう。

この4つをすることが前提になってきます。

具体的にお話ししていきますね。

1.支援が必要か必要じゃないか
確認しましょう。

自分がしたい(やめたい)ことをするときに、
私たち支援者の支援が必要かを伺います。
ご本人はいらないということも
あるかもしれませんが、
支援を入れる、メリットデメリットを
伝えていくことはできると思います。

2.それをやる(やらない)
理由を明確にしましょう。

もし支援が必要となれば、
なぜ、そのことを始めようと思ったのかを
確認します。
つまり、理由を明確にしていきます。

たとえば、体重を落とす(運動する)。
でしたら、それだけではなく、
なぜそうするのか?
を明確にしておきます。

やることだけではなく、やる理由です。

例えば、膝が悪いからだということを
明確にしておくと、
あとで、体重を落とすことを
しなくなった時に
なぜすると決めたのかを
思い出すきっかけになるからです。

なぜ始めたのかを思い出すことは
結構難しいようです。
でも、思い出せばまた始められる人は
多くいると思ってください。

3.方法を話し合いましょう。

その時の意思は、固いかもしれませんが、
続けるには、難しそうなものもあります。

たとえば、マラソンに出るために、
ご本人が、毎日10キロ走るなどの目標を立てたときに、
想像ができない状態があると思われますので、
最初は1キロから始めてはどうだろうか?
などのアドバイスもできます。

今、言っていることが、
毎日続けるというときに、
そういう状態なのかを
想像していただけるように、
具体的にわかる情報を
提供しましょう。

もちろんやってみて修正もありですね。

ご本人の言った通りに
できない場合もあるわけですから、
長続きするような仕組みも
作ることです。

4.続かなかったときに
どう支援をしていくかを
ご本人と決めましょう。

基本的には、
ご自身でしていただくものだとしても、
ひとりではできないことが多くあるのは、
最初にご説明した通りです。

ですから、続けられる仕組みは
作りたいところですが、
それでも、どうしてもできなくなる場合が
あるわけです。

その時、支援者として何をすればよいかです。

どんなことをして思い出させた方が良いのかや、
できなくなった時は、
もっとスローステップにするか等、
先に決めておくと安心感を持って、
進められる方もいます。

この部分を決めておかないと、
怒られたように感じてしまうようです。
どうやって支援を入れるかを考えることは、
大事なポイントです。

*****

支援者が絡んでいるとしても、
支援者に言われたから、
やるとかやらないではなく、
自分がそう決めたからというのが
大事だと思います。

だからこそ、約束通りでなくても、
怒る必要もない訳です。

時々確認することを続ければ、
絶対に身についてくれるはず。
もちろんご本人が決めても
もうやる気がなくなったら、
続きませんけどね。

知的障害がある方は、
ものになるまで時間がかかります。
そう思っていることが、
長続きの秘訣ですね。

また忘れたのかぁと
思いたくなりますが、
ぐっとこらえて、
また支援のやり直しですね。

彼らもそういう自分に気づいて、
SOS(支援)を求めてくれば、
それはそれで、自立の方向に進むと思います。

自分のしたいこと、
やめたいこと、
彼ら自身が目的を持って決めたことに、
丁寧に関わっていきたいですね。