うそをついてはいけない



支援者が、
その場をやり過ごそうとして、
うそをつくことがあります。

相手が知的障害で、
わからないだろう?
自閉症の人のその行動を
何とかしようとしなければ!
など、
思うのだと思います。

「嘘も方便だ」という考え方もあると思いますが、
うそはつかない支援をしていただきたいのです。

たとえば、
一般的な子育て中に、
うそが展開されている
親御さんをよく見かけます。

「今度買ってあげる」
「○○ちゃんがいい子だったら買ってあげる」

など、
その場をやり過ごそうとして、
言っているうそ。

「そんなことすると、おまわりさんが来るよ」
「先生に聞いてみるよ!」

このような、第三者をも使います。

こういった言動は、
私たちの文化なのか、
どこにでもあるシーンですね。

誰もが使っている子育ての仕方ですが、
はっきりいって、
いい子育てだとは思えません。

うそをつかれた子供は、
別なところでうそをつく可能性も
あるでしょうね。
うそをついていいと解釈している場合です。

さて、このどこにでもあるようなシーンですが、
知的障害や自閉症の人にも使う支援者が
多々見受けられます。

支援者はうそをついているつもりはなくても、
うそなのです。

先ほど書いたような感じのシーンもありますよね?
それに、何かを隠す場合もありますね。

もう少し書きましょう。

「病院に連れていくよ」
「入所施設に入れちゃうよ」
「先生に怒ってもらうよ」
「警察に連れていくよ」

この手のことは怒られているシーンで使われます。
彼らはわからない人ではないので、
このことをよく覚えていることになります。

でも、来ないじゃないか?
連れていかれないじゃないか?
あれ、これやっててもいいのかな?
という解釈になってみたり、

入所施設は悪い人が行くところだ!
などと認識し、
本当に入所施設を利用しなければならないときに、
拒否をすることも実際に起こっています。

支援者がついた嘘が発端で、
解釈をしますが、
支援者の思惑通りにはいきません。

また、今度買ってあげるなどの言い回しで
その場を逃れようとした場合は、
その場は落ち着く可能性もありますが、
次回の時も同じような訴えをすることになります。

結局は問題解決にはなりません。

さらには、
うそをつくということで、
逃れる術を学び、
支援者と同じように
嘘をついてみたりと、
悪循環になります。

このようなことは、
あなたの身近なところで起きているはずです。

それをあなたも真似をしますか?

そもそも、
彼らに嘘をついている時点で、
人権侵害にもつながる行為ではないですか?

そんなことさえ思います。

うそがなくても、
支援の力で、
切り抜けることはできます。

そこに、焦点を当てて、
自分の支援方法を磨いてみましょう。

うそはいけない。
うそをつかないでどうやってこの状況を
切り抜けることができるか?
という視点で考えてみていただきたいと思います。