自閉症支援:SOSを言うための支援



自閉症の人がパニックになる際は、
何らかの困ったことや不安のために、
それを表現しています。

大声
自傷
他害
破壊
走り出し
などなど、
様々なパニックがあります。

この、パニック状況は、
ご自身にも辛いし、
支援者も大けがをする場合があり、
パニックにならないように支援をしよう!と
推奨しているところです。

もし、パニックが起きないようにと
よい支援方法を編み出せば、
私たち支援者が介しての
パニックがなくなるでしょう。

でも、外的要因で、
パニックになってしまう場合、
この「パニック」という行動ではなく、
「SOSの訴え」ができるようになることで、
パニックがなくなった人がいます。

ですから、
パニックという訴え方ではなく、
自分はこれだけ不安なんだ、
イライラしているのだという
表現を獲得することにも
注目していただきたいのです。

例えば、大好きな職員が、
他の人と話しているだけで、
パニックになっていた人がいます。
パニックは、職員を投げ飛ばします。

この人には複合的に、
支援をした結果、
パニックがなくなったのですが、
その一つに、
今の気持ちを
職員に言うというスキルを
身につけられるよう
支援をしました。

つまり、
「ぼくもお話ししたいです」
とか、
「その人と話しているのを
見るのが嫌です」
といった気持ちを伝えることです。
最初は、イライラしながらも
一緒に行って、
その職員に言うということを
繰り返し、段々に見についていきました。

また、別な方で、
バスの中で、
シルバーシートに若い人が
座っていることが納得できず、
大声でパニックになり、
相手にけんかを
売るようなことがある人は、
運転手やバス会社に
「あった事実」を
伝えることができるようになり、
「直接対決」はなくなりました。
これは、ご本人が落ち着いているときに、
バスの中で嫌なことがあったら、
運転手に言おうねと話していたのです。

さて、困っていることを、
どう表現するかということは、
自閉症の人にとっては
難しい部分なのです。

でも、明らかにSOSは多い人たちです。

だから、パニックになっていると
いうことなわけです。

「今の気持ちはこういうことかな?」
と、確認し、
「そういう時は、
こうしたらどうかと思うけど?」
と提案。

それを、実際にやる練習が
必要な人もいます。

そのような、
SOSを訴えるスキルを
身につけるための支援にも
着目してください。

ちなみに、バス会社に訴えた人は、
バス中でパニックだと
「迷惑な人」扱いでしたが、
会社に電話した時には
落ち着いてできたので、
相手から「ありがとうございました」と
言われたようです。

同じ訴えをしていても
形が違えば、
この違いですから、
確実に、またあったら
こうしてみようと思えたようですよ。

社会の中で、
受け入れられるSOSの訴え方を
身につけられる人も
多くいると思いますので、
ぜひ、支援してみてください。