あなたの知っている知的障害者で
一人暮らし・世帯主を想像したことがありますか?
グループホームではなく、
アパートや親亡き後の一軒家暮らし。
実際そういう生活をしている人は、
たくさんいます。
ある方は、
一軒家にお住まいで、
ヘルパーさんが入り、
お風呂は近くの銭湯に行っています。
いつもにこにこしていて、
ご近所づきあいが、すごく上手で、
お買い物やコンサートに行くなど、
趣味もあります。
日中活動支援施設に行き、
働くことも充実しています。
こういう生活です。
今の暮らしから、
一人暮らし・世帯主を想定した時に、
なんでもできなければならないと
思うことでしょう。
逆に言うと、なんでもできなければ、
一人暮らしはできないと思っていることでしょう。
そんなことはないのです。
できなくてもよいこともたくさんあります。
一番省いてよいのは、
お料理です。
ちょっとはできたほうがいいにしても、
できなくても何とかなる世の中です。
そして、一番、
大事なのは、
SOSを出せることです。
知的障害がある人は、
今、目の前に起きていることが、
SOSだと、感じていないときもありますから、
何かが起きた時には、
これは、SOSなんだという確認を
支援者といっしょにしていくべきだと思います。
これは親元にいる時からの課題です。
そして、そういうSOSが出たときに、
どこに相談するかを決めておけるといいのです。
できれば、夜中でも対処できる人が必要だと思います。
次に大事なのは、
お金管理です。
これは非常に難しいのですが、
公的機関などの
金銭管理をしてくれる団体や
成年後見などの制度を使い、
最小単位である、
1週間分のお金を持っていられることです。
そして、こんなものは足りているのか?や
少し後に必要な物のために、
今、全部使ってはならないことなど、
お金全容について、
理解できるとさらにいいと思います。
そして、3つ目は、
お買い物ができることです。
お金の計算はできなくても、
自分でほしいものを買いに行けることです。
ここに、お料理ができなくても、
良いという部分が含まれます。
いまや、なんでも売っていて、
食べられるお店もあり、買い物ができれば、
一人暮らしは、たやすくなってきました。
4つ目は、
ご近所づきあいです。
認識していることだけでもいいと思います。
様々な課題は出てくると思います。
その時に少し助けてくれる人がいることや
見守ってくれる人がいることは、
万が一の時に大事なことです。
ご近所を「自分の味方なんだ」と、
認識するだけでも違いますね。
そうそう、近くの交番とは
仲良くしていたほうがいいでしょうね。
そして、5つ目は、
その暮らしを楽しめることです。
一人でいることを苦痛としているのであれば、
やはりグループホームのほうがいいと思うのです。
一人暮らしをする時の困難なこともあるけど、
やってみようと思えるかどうかは、大事な要素です。
また、人によって必要なのは、
薬管理・健康管理などでしょうね。
その辺りは日中活動や相談支援とのタイアップで
できる部分だと思います。
実際は、
日中活動支援施設も、
ご本人の生活部分の支援を
視野に入れておくべきだと思います。
一人暮らしをする時に最低限必要なのは、
・SOSが言えること。
・お金の管理を1週間だけできること。
・買い物ができること。
・ご近所は大事と認識ができること。
・一人ぐらし(世帯主)を楽しめること。
この5つです。
ここを中心にしながら、
その人その人に必要な物を
オプション支援していく。
ということです。
今一人暮らしをしていない方でも、
一人暮らしには、どんなことが必要かを
想定する話も盛り込みながら、
お金の使い方も話題にしながら、
将来を家族でも考えたりしてみてください。