グループホームの世話人さんへ



ごめんなさい。
最初に謝っておきます。

福祉の現場で、
最近耳にする言葉が、
あなたのところにも届いているでしょうか?

虐待があるたびに、
その起きた原因を
「専門性がないからだ!」
という人たちが多いことに、
私自身が、申し訳ない気持ちでいっぱいなのです。

そういう風に言っている人たち自身が、
本当に専門的な人なのかと思うほど、
簡単にその言葉を使っています。

そして、管理職もその言葉を使っています。

情けないです。
専門性って何をもって専門性といっているのか?

専門性がないと、障害者支援をしてはいけないのか?
障害者支援者が多岐にわたっているということも考えてませんよ。

だから、何も考えないで言っている可能性も高いです。
そう言っておけば安心?っていう感じもします。

学歴とおんなじです。
いい大学でてれば信用度が高い…みたいな感じ。
もし気になさっている方がいらっしゃったら、
気になさらないでください。

私もグループホームの立ち上げを経験しましたが、
世話人さんには、本当に頭が下がります。

特に住み込みの世話人さんは、
よくやってくださるなぁと思っていました。

知的障害や自閉症の皆さんと
接したことがない方が多く、
「私も何かのお役に立ちたい!」といわれる方が多く、
おいしい料理と、暖かな生活環境を
創り出すだけでも、
ご苦労が多々あると思うのです。

今まで生活を別々にしていた人たちを、
取りまとめていくことも、
ご苦労があることでしょう。

投薬管理、金銭管理、ものの管理など、
彼らに難しいところに間違いがないようにと、
ご苦労されているかもしれません。

専門性といわれる部分がなくても、
安心の環境を作り出すだけでいいとも思うのです。

もちろん、彼らと付き合う中で、
ちょっと勉強していったほうがいいなと思えるようなところは、
多々あると思います。

その時に、身につければいいことで、
何でもかんでも、最初から支援のすべてを
知っていなければならないということはありません。

世話人さんが、
自分の家のような環境を作ってくださることのためには、
息抜きも必要でしょうし、
気軽に相談できる、物事の確認ができる、
仲間は必要ですよね?

そういう仲間がいないとなると、
それは、心が折れそうになるかもしれません。

私は、焦らずに、また、
一人で抱え込まずに、
吐き出せる人になってほしいと思っています。

そうすることが、
あなたが仕事をする上で、
長続きができ、
入居者の皆さんがこころの安定につながるのではないかと思っています。

「おはよう!」
「いってらっしゃい!」
「おかえり!」
「おやすみなさい!」

そういう日常を、
創り出していただける
世話人さんに感謝します。

そうだなあ、一番大事なこととしてお願いするなら、
笑顔を作り出せる専門家になってほしいかも。