片づけができない5つの理由



知的障害や自閉症の方は、
なかなか、片づけができない方が多いですね。
支援者が「片づけをして!」といったところで
できないということは、
支援者の工夫も必要です。

大きな理由が5つあると思います。

1.片づける場所がわからない
物には住所が必要です。
片づけて!といっても、
この物をどこにしまうのかがわからなければ、しまえません。
本はどこにしまうのか、
作業の材料はどこにしまうのか、
その場所を決め、表示や色分けなどで、
彼らにわかりやすくすることです。

2.片づける時間がわからない

いつやったらよいのかがわからないようです。
施設の作業や活動であれば、終わりの時間が明確なので、
その最後にやれると思いますが、
お家だと、いつ片づけをするのかがわかりにくいですよね?
ご家族がいれば、今から片付けの時間という時間を作るように、
スケジュール的に考えたほうがやりやすいのですが、
通常の生活の中では、設定しにくいかもしれません。
そうすると、どんどんモノがあふれてきてしまい、
よけいに片づけが、しにくくなっていくようです。

特に一人暮らしの人などは、あえて支援者から時間を指定して、
この日のこの時間にやろうという形に持っていくのも良いようです。
ひとりでスケジュールを組み立てられるようになるには、
時間もかかります。

また、片付けすることを維持するのは、
「○○だけ、お片付け」というやり方も良いと思います。
参照ブログはこちら↓↓↓
http://teamaoi2003.com/post/258

3.いるものと要らないものがわからない
使うものなのか、使わないものなのかがわからないので、
とりあえずとっておく。

モノが多くなり過ぎると、どこにあるのかもわからなくなるので、
また買ってしまうという悪循環もあります。

多すぎる方は、まず減らすことが大事ですね。
そこまでは支援者が、
一緒に片づけたほうが良いかもしれませんね。

洋服が、段ボールに入っていて、部屋中埋め尽くされた知的障害の方もいます。
もうこうなったら、使わずまた買ってきてしまうため、また増えるようです。
1個買ったら1個捨てる等の方法もありますね。
透明な衣装ケースに入れるのもわかりやすさの一助となりますよ!

4.どこから手を付けていいかがわからない
今日は何をやると決めたほうがやりやすいようです。
洋服、本などのモノや、
テーブルの上、台所、玄関などの空間や
また、引き出し1つ分などの量です。

一番気になるところからするのが良かったり、
左端からとか、家の入口から
といったやり方もあります。
ここは相談しながら、その方がやれるような部分を決めてみましょう。

5.そもそも何が片づけをしたという状態なのかがわからない
施設でいうとロッカーの中が汚い人がいます。
たたむということができずに脱いだら脱ぎっぱなし。
洋服も裏返し。

でも、ご本人にとっては、「片づいている状態」のようです。

どういう状態が片づいている状態なのかは、
人それぞれ違いますよね?
片づけのイメージ、支援者とご本人とは違うのです。
その状態を、
その方と話し合って、
どんな状態が片付いていて、
物の出し入れがしやすく、
清潔で、快適な生活になるか?
そんな視点で、片付けの状態を共有しましょう。

以上のように、
最初は支援者が入って行くことになるかもしれません。
ひとりで、していただくときには、時間は必要ですが、
その方が苦労と考えないような、方法を話し合ってみてください。
また、片付けは苦手ということを支援者は、頭に入れながら、
小さい時から、自分で片づけをするコツがつかめるように、
お家で、練習をする機会があったほうが良いと思います。