利用者にもできる、コストを意識した作業



知的障害がある利用者が、
作業をする時に
コスト意識はありますか?

まさかそんなところまで、
話していないという施設が多いことでしょうね。

職員たちでさえ、
コスト意識がない
施設も多くありますからね。

わが施設の利用者の皆さんは、
1円でも多く稼ぎたい人ばかりです。

それは聞いてみたら、わかることです。
1円でも少ない方がいいという人は、
皆無だと思います。

その時に、
どうやったら1円でも多く稼げるか?
ということを利用者の皆さんと
一緒に考えたことがありますか?

これを考える時は、
職員から
がんばればよいなど、
説教じみたことを言っても効果がありません。

それに、職員がたくさん作業をして、
そこに便乗するということではありません。

自分がどうするかを
考えられないと、
変わりません。

これは、障害のあるなしではなく、
できることをすることなのです。

ひとりひとりのできることは違うにしても、
その中で、何かを変化させれば、
1円でも多く稼ぐことができます。

あなたの施設ではいかがですか?

うちの施設は、
縫製作業をしている施設ですが、
コストを減らそうと話しています。

コストを減らすことで、
分配するお金がつえることを
彼らに説明しています。

彼らができるコスト削減は、
材料
時間
間違ったままやり過ごすこと
です。

1.材料の無駄
材料を買うのは、売り上げからですから、
材料費が少なくなれば、分配するお金が増えるということ。
だから、材料を無駄に使うことは、
お金を捨てていることだということ。

2.時間の無駄
実際に慣れていく過程で、
さまざまなやりやす方法を提示しますが、
できるようになってくると、
もっと時間短縮でできる方法を
提示しています。

また、同じ工程でも2つのことを見せて、
どっちが時間がかかるかを考えていただいたり、
効率的にできる工程の開発をしています。

それを実感していただくと、
時間が早くなっていくのがわかるようです。
急がせているわけではなく、効率化です。

また、時間がたつにつれ、
技術も上がり、
早くできるようになってきた場合は、
ミシンの速度をあげることも、
できるようになってきます。

商品を作る時間が短くなれば、
出来上がる個数が増え、
お客様に提供できる個数も増えていきます。
その原理で、時間の無駄を省く意味を
納得していただいています。

3.間違ったままやり過ごすことの無駄
どこで間違いに気づいたのか?
どこでSOSを発したほうがよかったのか?
そんな話をよくします。
というのも、間違ったまま続けた場合、
売り物にならないときがあるからです。

やり直しは嫌ですよね。
誰でもそうです。

それに、やり直す時間も無駄になります。
気持ちも下向きになってしまったらそれも無駄。

以前は、
やり直すのが嫌だという感情が
出る時もありました。
このまま何とかならないかということだと思います。

そんな時は、
「あなたがお客様だったら買いますか?」と
質問をしました。

すると、
「これじゃ買わない」と感じるようなので、
「ではやり直しましょうか?」
と話すと納得するようです。

そういうことの繰り返しの中で、
間違ったり、SOSを発したいときは、
気づいたときに言うことは、
格段と増えています。

この3つのことは、利用者の皆さんに、
折に触れ、話していることです。

最終的には、
自分の工賃に返ってくることなので、
改善しようとしています。

彼らにもできる品質管理です。

私たちは、もっと彼らのできることに着目するべきですし、
彼らがわかるように支援もするべきです。

彼らにはわからないからと思いすぎて、
職員が何とかしなければいけないと思い込みすぎて、
様々なコストがかさみすぎ、
収入にも影響が出ていることもあると思います。

商品単価を上げるだけではなく、
さらに、コストを意識して、
無駄を省き、
純利益を増やすことです。

さあ、工賃を増やしましょう!
知的障害がある彼らのできることに、
着目していきましょう!