支援者という仕事



「支援をする」という言葉を、
簡単に使っているけれど、
支援というのは、
彼らができないことを
ただ、お手伝いすることではないのです。

できるのか、
できないのか、
常に、考え、

できなくても、
困っているのか、
困っていないのか、

できるようになることが、
必要なのか、
不要なのか、

できると言っても、
苦労してやっていないか、
できることとやりたいことは
違っていないか、

これは重要かもしれないけど、
今はやるべきではないか、

やることで、
この人の体が壊れるのではないか、

などなど、
いろいろなことも考えていく過程があるのです。

相手はどう思っているのだろう?
どんな人生をしたいのだろうか?
今していることの先には、
何があるのだろうか?

そこは自分自身、外すべきではない部分だと思っています。

どんなに、支援の仕事を長くやろうとも、
私の考えで、彼らの人生を決めるつもりもないし、
彼らが自分の人生をこの人生でよかったと
思っていただけるように、
支援するべきだと思うのです。

彼らは、
障害があるがゆえに、
自分の人生の良しあしさえ
自分ではわからないかもしれないから、
支援者として、
彼らの人生にはこんな道もあるし、
あんな道もあるしと
提示をしていきたいと思うのです。

支援には答えがないと言われますが、
私はそうは思わないです。
もし答えがないのであれば、
こんなにやりがいのない仕事はありません。

答えは彼らが持っているし、
その答えがあるからこそ、
彼らの人生がつながっているともいえると思うのです。

支援の仕事は、
他人の人生さえも、
変えてしまうかもしれないと思えば、
非常に怖い仕事でもあります。

私が支援の中で一番大事にしたいのは、
まず、SOSが言えることです。
困っているとか、嫌だとか、
自分から言うことです。

そして、彼らが選べるように、
支援者からの情報提供を
彼らにわかるように
いろいろな角度からするべきだと思っています。

最終的に、彼らが決め、
彼らが行動することこそ、
大事な支援です。

彼らにやさしく、
彼らが楽しいだけの人生を
作るつもりはありません。

彼らだって悩み、
自分で決める。
人に決められたのではなく、
自分で決めたという人生の中で、
楽しくないことや
辛いことや苦しいこともあるかもしれないけど、
これでよかったと言ってもらえるような
人生づくりの支援ができるのであれば、
これが、私がした支援の答えなのだと思うのです。

私は簡単には手伝いません。
「手伝ってください」と言っていただきます。

「決めてよ!」と言われれば、
「自分で決めてください」と言います。

SOSや自己決定。
そのための情報提供や自分でできるための工夫は
いろいろとしているつもりです。
ここは手を抜きません。

それは、支援者としての自分と彼らの人生の
一緒ではないからです。

仕事して関わっていますから、
もう何人の方の人生に関わっているのでしょう?

みんなの人生すべてに関わるのではなく、
様々な支援者にバトンタッチをしてつないでいますから、
山田さんに支援してもらってよかったと
思ってくだされば、正解をいただいた気持ちになります。
そして、よい支援であれば、それが次の支援者にも
つながっていくことも大事だと思っています。

最高の支援をしていきたい。
最高の福祉施設を経営していきたい。
他にないサービスでも、
その方に必要ならやるべき。

そんな支援の展開をしながら、
自分は、この仕事をしてよかったなと
毎日、彼らに感謝しつつ、
過ごしております。

もちろん、最初からこんな自分ではないので、
自分自身の考え方も成長しているはずです。
まだまだ支援者として働くつもりですから、
自分自身も成長して行くべきだし、
支援力はもっと上ると思っています。

日々成長!
自分も苦しい時もあるけど、
それも、よきこと。
支援者として悔いなし!
きっと、明日も支援者。
死ぬまで支援は続けます。