親亡き後の生活は誰が考えるべきか?



親亡き後と言うことばを、
聞いたことがあると思います。

親亡き後ということを考えるのは、
親という立場の人です。

「だれが?」は、「親」です。

「何を」は、「こどもの生活」です。

では、「いつ考えるのか」は、
「親あるうちに(自分が生きている間)」です。

親亡き後という言葉を
知らない人がいないくらい、
また、考えなければならないと
思われているのですが、
まだまだ先のことと、
後回しにされている方が
たくさんいらっしゃいます。

本音で言えば、
そんなことは考えたくないし、
いつのことかわからないし、
その時にどんなサービスが、
あるかもわからないわけですから、
今から考えるよう言っても、
それは、なかなか難しいことと思います。

でも、実際に、
親が亡くなると、
サービスを組み立てるのは、
毎日通っている
施設の職員だったり、
相談支援センターだったりなのです。

そのまま自宅で過ごせる方は少なく、
入所施設に入ることになれば、
今通っている通所施設は、
やめなければなりません。

そういう状態の時に、
本当は、親御さんは、
どういうふうにしたかったのだろう?
と思うのです。

生きている間に、
「この子の将来は、○○にしてほしい」と
伺えないままの方もいらっしゃるので、
とりあえず、ショートステイで、
繋ぐわけです。

ですから、
親として、
親が生きているうちに、
子供の将来を考えて欲しいと
思っていました。

そうです。

思っていました。

でも、
なぜ、この、誰もが知っていることで、
やらなければならないとされていることが、
どうして、いつも伺えないのだろうと、
ふと思ったわけです。

なぜ浸透しないのだろう?

これは、親に求めるものなのだろうか?

という角度で考えてみました。

つまり、
親がやるべきことは、
私は先に死んだときに、
あなたは、どこで生活したいのかの選択を
しなさいねと子供に話しておくこと。
ではないかと思うのです。

じゃあ、誰が親亡き後のことを考えるか?

それは、ご本人じゃないでしょうか?

たしかに、いままでも、
いろいろな知的障害がある方たちと、
さらっとお話はしたことがあります。
でも、突っ込んで
お話をしたことは
ありません。

親が亡くなったら、
あなたはどんな生活をしたいのですか?

こういう質問は、
浸透していないと思うのです。

まあ、聞きたくない質問ですよね?

親が、高齢になった時などに、
入所施設に入ることになり、
そのまま、親が亡くなれば、
そこにいることになります。

通所の場合は、先ほども書きましたように、
緊急事態なので、
空いてる事業所につなげます。
場所や内容を問う時間はありません。

でも、一人暮らしがしたいのかなど、
聞く時間もないままです。
特に重度といわれる方は、
即入所系を考えます。

人によってはひとり暮らしも可能でしょう。
そして、グループホームなのかもしれません。

でも、グループホームは、
親が亡くなった時というのは、
空いてない可能性が、ほぼ100%ですから、
「親あるうち」からの利用の方がいいのです。

親亡き後
親あるうちに
ご本人の気持ち
生活の場

どんな将来を過ごしたいのか?

視点を変えて、
ご本人主体の生活手段を選ぶためにも。

親あるうちに、
親が死んだあと
どこで生活したいのか?
だけは、確認しておきたいですね。

もし、親御さんができなくても、
私たちサービス提供者からも、
何かの折に聞いておくことができます。

もし、グループホームが良いのであれば、
親あるうちに申し込みをするべきです。
そうしなければ、自動的に
入所系になりやすいです。

だから、そこだけは、お願いしたいところです。

彼らご本人に聞いて、
生活の場を決めたいですね。

もし、福祉サービスを利用するなら、
そのためには、いろいろな場の見学でしょうね。
今所属している施設や相談支援センターで
集団として、見学会を開いてもいいと思うのですよ。

体験しないとわかりづらい彼らです。

親亡き後を親だけに選択していただくのではなく、
今所属している事業所で、
親亡き後を考え、
彼らに選択する機会を
体験していただきませんか?

子供は子供なりに
親亡き後を
考える機会を
作りましょう。

いろいろな関係者も含め、
いろいろな角度から考えつつも、
彼らが自分で
将来を選べますように!